![ハヤカワ文庫補完計画作品を全部読んで/レビューしてのあとがき&目次 - 基本読書](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/4ed6a34df7c96cacaba5e1f1546121e8cf3eac8b/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2Fh%2Fhuyukiitoichi%2F20160421%2F20160421194049.jpg)
以前、と言っても2,3年ほど前に服部真理子という人の短歌に惹かれて、雑誌を何冊か買ったことを思い出した。 調べてみると今ではこの人は歌壇賞という賞を獲っている。 検索してかき集めると、この人の短歌をあっという間に五十首くらいは揃えることができる。 それをそのままドバッとこのブログに載せてしまうのはいかがなものかと思うので、絞りに絞って十首だけ紹介してみたい。 どの町にも海抜がありわたくしが選ばずに来たすべてのものよ 塩の柱となるべき我らおだやかな夏のひと日にすだちを絞る 金貨ほどの灯をのせているいつの日か君がなくしてしまうライター 草原を梳いてやまない風の指あなたが行けと言うなら行こう 天国がどこにあっても蹄鉄がきっと光っているから分かる 回るたびこの世に秋を引き寄せるスポークきらりきらりと回る おだやかに下ってゆけり祖母の舟われらを右岸と左岸に分けて けれど私は鳥の死を見たことがない 白
この記事はリンク先に移転しました。 https://sube4.hatenadiary.jp/entry/Slayers-as-Fantasy
フランツ・カフカ『アメリカ』 極めてクリアーに書かれていくことでかえって世界の見えなさが立ち上がってくる、ということを見せてくれる小説。ミステリーのように記述を省略して何かを隠すということはない。三人称一元視点で主人公の少年が直面する事態が明瞭に描かれていく。主人公が思考し、事態に対処しようとする様子も隠しだてされることなく私たちは見ることができる。 それにもかかわらず、この世界が不可視なのだという印象が強烈に与えられる。放り込まれた迷路の中で、壁を撫でてその感触だけを確かめているような気にさせられる。ガルシア=マルケスが『族長の秋』で、一人称と三人称を混在させ、時間軸も交錯し、ほとんど荒唐無稽な思考と行動を描きながら、世界を異様にクリアーに見せてしまったのと、ちょうど対称的だ。 アメリカ (角川文庫) 作者: フランツ・カフカ,中井正文出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1972/01
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