人を殴ったら暴行の疑いで逮捕される。公の場でも家庭内でも、である。ところが、学校の部活動という世界に入るといきなり治外法権となり、大人が子どもを日常的に殴っても許されてしまう。 読売ジャイアンツで活躍した元プロ野球選手の桑田真澄氏は、共著書﹃新・野球を学問する﹄の中で自分自身の部活動を振り返ってこう書いている。 ︿ 今でも思い出したくない記憶です。頬に手の跡がつかない日がない、お尻にもケツバットの跡が数本。お尻がはれ上がって帰りの自転車は普通に乗れない。そんな毎日でした。 ﹀ これは小学生時代の話である。こうのような日々は中学・高校でも続く。﹁指導﹂や﹁しごき﹂という域をはるかに越え、﹁児童虐待﹂ではないか。 ﹁ひたむき﹂﹁すがすがしい﹂は本当か? 8月に入り﹁夏の甲子園﹂たけなわだ。全国高等学校野球選手権大会は単なる高校生のスポーツ大会ではなく、国民的な祭典になっている。旗振り役は、日本
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