先日、音楽家の坂本龍一さんが亡くなった時に、彼に関連する記事を何本か読んだ。心に引っ掛かった一節が見つかったのは、娘さんでミュージシャンの坂本美雨さんへの朝日新聞のインタビュー記事だった。美雨さんが、若い頃に﹁一流﹂を求める父に反発を感じたことがあったというエピソードの中のものだ。親子のやり取りは大半がメールだったという。 美雨さんが言う、 ﹁同じころにもう一通。﹃僕が今、つくっているものの98%は、10代で吸収したもので成り立っている﹄と。彼には、私が大事な時期を有意義に使っていないように見えて、不満だったのでしょう。すごく焦りました。私の10代って、あと1年しかない。なんで今言うの!﹂。 ︵朝日新聞﹁︻アーカイブ︼︵おやじのせなか︶坂本美雨さん ﹃一流目指せ﹄に反発も﹂。朝日新聞デジタル2023年4月2日。︻2008年6月1日朝刊34面︼の記事との注釈がある︶ ﹁今、つくっているものの