﹃夏への扉﹄が実写映画が公開したというニュースが話題だ。 この機会に原作を読んでくれ、というSFファンの声が多くて本当に辟易する。 SFはアイデアの新奇性、センス・オブ・ワンダーが重要なのであって、今さらヴェルヌやウェルズを読んだところで、価値はない︵ギブスンやディックも同様︶。 こういう﹁オススメSF﹂の話題になると必ず出てくるのが﹃夏への扉﹄だ。 はっきり言えるが﹃夏への扉﹄を薦めるやつは見る目がなく、センスに欠けていて、信用できないってことだ。 私もその手合いに騙されて、貴重な時間を無駄にしてしまった。 ﹃夏への扉﹄は読まなくて結構。今からその理由を端的に3つ述べる。たったの3つだよ。 ﹃夏への扉﹄は決して猫小説ではない。 ﹃夏への扉﹄は猫好きなら読んでおくべき、みたいな薦め方もされる。 読んでみて驚いたのだが、これはまったくもって猫小説ではない。 なぜなら猫はストーリーの本筋とまる