ポイント 超音波集束ビームを用いて空中浮遊・移動する直径4ミリメートルの極小LED光源を開発しました。 無線給電を使用した電池の不要化と、LED点灯に必要な無線給電用受信回路の専用IC化の2点を工夫したことで小型・軽量化を実現し、超音波による微弱な力でも浮き上がらせることに成功しました。 極小LED光源の空間中の移動と点灯・消灯はコンピューターから無線で制御でき、将来は手で触れる空中ディスプレイ向けの発光画素への応用が期待されます。 東京大学の高宮 真 准教授、川原 圭博 准教授、星 貴之 客員研究員と慶應義塾大学の筧 康明 准教授らの研究グループは、手で触れる空中ディスプレイ向けに3次元空間を飛び回るLED注1)内蔵のミリメートルサイズの発光体を作製することに成功し、蛍のように光ることからゲンジボタルの学名より「Luciola(ルシオラ)注2)」と名付けました。 これまでの超音波集束ビー
割れても、断面を押しつけるだけで元どおりに修復できるガラス材料の開発に、東京大学の研究グループが世界で初めて成功しました。 研究グループは新たな接着剤の開発を進めていましたが、偶然、固くさらさらした手触りの物質に自然に元どおりになる自己修復機能があることを発見しました。 この物質は「ポリエーテルチオ尿素」と呼ばれるもので、これを材料に作ったガラスは割れても数十秒間、断面を押しつければ元どおりに修復できます。 また数時間あれば元の強さに戻ることも確認できたということです。 こうした室温環境で壊れても自己修復できる物質はゴムのような柔らかい材料では見つかっていましたが、ガラスのような固い材料では実現が難しいとされていました。 柳沢さんは「見つけたときは自分も半信半疑だったし、論文もさまざまな指摘を受け何度も実験を繰り返した。直るガラスは、壊れたら捨てるというサイクルとは異なる環境に優しい材料に
Inspired by biology, researchers aim to develop soft-bodied programmable motion in order to combine natural compliance with controllable actuation. One of the long standing challenges has been the lack of easily processed robust soft actuators with high strain density1,2,3,4,5. Such actuators would be easy to produce and to mold, cut, and 3D print into a desired shape, yet would produce large macr
パナソニックは、次世代太陽電池の本命とされる「ペロブスカイト太陽電池」の耐久性向上に成功した。ペロブスカイト太陽電池は発明から10年足らずで、普及が進むシリコン系と肩を並べるまで変換効率が急上昇している。最大の障壁だった耐久性の課題解決に突破口が見えたことで実用化へのハードルが下がった。 パナソニック先端研究本部新機能材料研究部の松井太佑主任技師が、スイス連邦工科大学ローザンヌ校との共同研究でペロブスカイト太陽電池の耐久性を高めた。85度Cの環境で500時間連続して発電させる試験を行い、光を電気に変える変換効率は初期効率に対して95%を維持した。通常の使用環境に置き換えると「2―3年に相当する」(松井太佑主任技師)という。 ペロブスカイトは特殊な結晶構造の名称。桐蔭横浜大学の宮坂力教授が、太陽電池として作動することを発見した“日本発”の技術だ。宮坂教授が2009年に作製したペロブスカイト太
ハーバード大学の研究チームは、水素に超高圧をかけることによって「金属水素」と呼ばれる状態を作り出すことに成功したと発表した。金属水素は、超高圧をかけられた水素が、金属光沢や導電性といった金属特有の性質を示すようになるもの。金属水素は、常温で超伝導体として振舞うと理論的に予想されていることもあり、高圧物理の分野では長年にわたり金属水素を作る実験が続けられている。研究論文は、科学誌「Science」に掲載された。 超高圧実験中の水素分子。圧力200GPa付近では透明だった水素分子(左)が、335GPaを超えたところから黒色に変化し(中央)、495GPaで金属特有の光沢を示すようになる(出所:ハーバード大学) 水素は通常、水素原子2個がそれぞれの軌道上にある電子を共有し合って結びつく共有結合によって、水素分子H2を構成している。この状態の水素は、分子間での電子の受け渡しができないため電気を通さな
We realize dynamic projection mapping onto deforming non-rigid surface based on two original technologies. The first technology is a high-speed projector "DynaFlash" that can project 8-bit images up to 1,000 fps with 3 ms delay. The second technology is a high-speed non-rigid surface tracking at 1,000 fps. Since the projection and sensing are operated at a speed of 1,000 fps, a human cannot percei
情報を瞬時に転送する仕組み 離れている場所に瞬時に情報を転送できる「量子テレポーテーション」を使って、光の粒が持つ情報を6キロ以上離れた場所に瞬時に転送させることに成功したと、カナダと中国の研究チームが19日付の科学誌電子版に同時に発表した。 室内での成功例はあるが、環境が変化しやすい室外での転送は難しいとされてきた。両チームは「通信が格段に速くて安全な新たなインターネットを、地球規模で実現させることにつながる成果だ」としている。 量子テレポーテーションは、超微小な光の粒「光子」のペアに互いに影響を及ぼすような関係を持たせ、片方に情報を与えると、もう片方にも瞬時に情報が伝わる現象。
極細金属ワイヤを二枚の柔軟なフィルムの間に波状に配置する技術を開発 高伸縮性・透明性・電気的安定性・強靭性を同時に実現 曲面上へのセンサーの実装を可能にし、自由形状センサーの普及に貢献 国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)フレキシブルエレクトロニクス研究センター【研究センター長 鎌田 俊英】 印刷デバイスチーム 吉田 学 研究チーム長、植村 聖 主任研究員、延島 大樹 産総研特別研究員は、トクセン工業株式会社【代表取締役社長 金井 宏彰】(以下「トクセン工業」という)と共同で、電気を通す透明ラップフィルムを開発した。 産総研は、トクセン工業が開発した世界最小レベルの線径で、強度に優れ、弾性の高い極細金属ワイヤを二枚の柔軟なフィルムの間に波状に形成するプロセスを開発した。このプロセスにより高伸縮性・透明性・電気的安定性・強靭性を同時に満たす導電性
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