本を出せば儲かるわけではない 明治大の齋藤孝教授のように、毎月本を出版して、印税やテレビ出演だけで、おそらく本務校の収入の何倍も稼いでいるであろう先生もいる。そういう人ばかり目につくから﹁大学教授は本を出して儲かる﹂と思っている人がいるかもしれない。そんなことはないのだ。 私レベルの﹁売れない教授﹂だと、本は書けば書くほどビンボーになる。どういうことか説明しよう。私はこれまでに10冊の本︵単著︶を出版している。このうち、4冊は完全な学術書で、著者印税は一銭も出ない。印税がないだけなら、まだいい。この4冊のうち3冊は﹁自腹﹂、あるいは勤務校からの﹁出版助成金か個人研究費﹂というかたちで、数十万、時に100万円以上のお金を出版社に供与して、ようやく出版してもらっている。 最初の単著本は、出版目的が明確だった。10年以上の研究成果を学術書としてまとめて﹁博士号﹂を取得するつもりだったからだ。国際
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