【読売新聞】 コロナ禍に感染対策やワクチン接種をSNSで呼びかけたことで、ネット上で「金のために 煽 ( あお ) っている」などといわれのない 誹謗 ( ひぼう ) 中傷を受けた医師らが、発信者(投稿者)の責任を追及している。裁判
![「ヤブ医者」「金のため」コロナ禍に誹謗中傷投稿、発信者特定し賠償命令も…忽那賢志・阪大教授「泣き寝入りしたら後進も被害」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/63865fcd93f20c2a75e4e425bee1105a332fa4f6/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.yomiuri.co.jp%2Fmedia%2F2024%2F02%2F20240203-OYT1I50074-1.jpg%3Ftype%3Dogp)
医師への誹謗中傷 大阪大学の忽那賢志教授が、医療従事者向けの情報サイトM3において、X(旧ツイッター)での自身への多数の誹謗中傷への開示請求が認められたことを明らかにした。忽那教授は、コロナ禍において、熱心に診療や情報発信に従事してきた専門家である。 忽那教授はまた、ヤフーオーサーとして、週1回のペースで科学的な情報をわかりやすく発信してきた。コロナ禍で医療や研究の最前線で奮闘する傍ら、毎週ヤフーニュースの記事を執筆することがどれだけ大変なことか。私も同じ書き手の一人として、その大変さは想像に余りある。それは、未曾有の危機のなかで、専門家としての責任を果たしたいという信念や責任感の表れであるに違いない。 ところが、その忽那教授に、Xなどで轟々たる誹謗中傷がなされているのだ。以前、ヤフーニュースの企画で、忽那教授と対談した際にも、そのことをこぼしておられたが、私は即座に法的手続きを取ることを
2023年5月8日から新型コロナは5類感染症になります。 しかし、当然ながら5月8日を境目として新型コロナという感染症そのものの性質が変わるわけではありません。 これから新型コロナはどのように変わっていくのでしょうか? 次々と変異株が出現してきた新型コロナウイルスこれまでに出現してきた変異株と日本における流行(doi: https://doi.org/10.1038/d41586-022-02154-4より) 新型コロナウイルスは当初の野生株から進化を遂げ、様々な変異株が出現しました。 これまでに日本でもアルファ株、デルタ株、などの変異株が主流となってきましたが、現在はオミクロン株の亜系統が1年以上主流であり続けています。 新型コロナの重症度は大幅に低下日本国内における新型コロナの致死率の推移(Our World in Dataより) 新型コロナの流行が始まって3年以上が経過しました。 流
新型コロナの流行は、感染症専門医にとっても初めて経験する規模のパンデミックであり、啓発を行う上でも様々な学びのある3年間でした。 5月8日から新型コロナが5類感染症に移行し、WHO(世界保健機関)が緊急事態宣言(PHEIC)を終了するという一つの節目となりますので、私がこの3年間行ってきた啓発活動について振り返りたいと思います。 私自身は、元々新興再興感染症を専門とする臨床感染症医として病院で働きながら、 新興再興感染症、薬剤耐性、性感染症などの感染症に関する啓発活動を行っていました。 様々な啓発活動の一つとして、新型コロナの流行が始まる4ヶ月前の2019年9月からYahoo!JAPANのオーサーとして執筆活動を開始していました。 そんな中、新型コロナの流行が始まりました。 混沌とともに新型コロナの流行が始まる中国の武漢で原因不明の肺炎が流行しているというニュースは、2019年の年末から
2023年5月8日から新型コロナは5類感染症となります。 5類感染症になっても、新型コロナがインフルエンザと同等の疾患とは決して言えない理由の一つにコロナ後遺症の問題があります。 現時点で、コロナ後遺症を予防するための方法について整理しました。 コロナ後遺症とは?新型コロナ後遺症で頻度の高い症状(筆者作成) コロナ後遺症とは、新型コロナに感染してから2ヶ月以上経った後も咳など発症時からある症状が続いたり、回復した後に新たに脱毛などの症状が現れてくる病態を指します。 頻度が高い症状としては「だるさ」「息苦しさ」「嗅覚異常」「脱毛」「集中力低下」などがあります。 これまでの新型コロナ後遺症に関する研究では、 といったことが分かっています。 日本でもすでに4割以上の人が新型コロナに感染していると考えられており、誰がいつ感染してもおかしくない状況である一方で、コロナ後遺症の予防法や治療法は確立され
先日開催された厚生科学審議会において、日本における抗体陽性率の最新の調査結果が報告されました。 この結果からは、日本に住む約4割の人がすでに新型コロナに感染しているということが分かりました。 今回の調査結果からは他にどのようなことが分かるでしょうか? 「抗体調査」とは?S抗体とN抗体の違いは?S抗体とN抗体(DOI:https://doi.org/10.1016/j.tibtech.2022.07.012より筆者作図) 抗体とは、免疫システムによって作られるタンパク質のことであり、新型コロナウイルスに感染したりワクチン接種をすると、種々の抗体が作られます。 測定されることの多い新型コロナの抗体としてはS抗体とN抗体の2種類があり、S抗体はワクチンの標的である「スパイク蛋白(S蛋白)」の抗体でありワクチン接種をした人と感染した人のいずれも陽性になるのに対し、N抗体はウイルス遺伝子を包み込んで
新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は減少傾向となっていますが、今度はインフルエンザが猛威を奮っています。 症状がよく似たこれら2疾患の流行状況、症状、重症化リスク、治療薬、感染対策についてまとめました。 インフルエンザと新型コロナの流行状況はインフルエンザ流行レベルマップ(2月3日現在. 国立感染症研究所HPより) 2023年2月3日時点で、新型コロナが流行して以降初めてインフルエンザの流行が拡大しています。 インフルエンザ注意報の目安となる定点あたり報告数10を超える地域が全国的に増えており、沖縄県(41.23)、福井県(25.38)、大阪府(24.34)、福岡県(21.70)、京都府(20.24)、石川県(17.52)、宮崎県(16.47)、兵庫県(14.02)、奈良県(13.93)、佐賀県(12.54)の順となっています。 現在流行しているのはインフルエンザAH3亜型というタイプ
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2023年1月20日に、岸田総理は今春にも新型コロナを5類感染症に移行することを発表しました。 大きな節目となるこの5類への移行ですが、必ずしも良いことばかりではありません。 現在の「新型インフルエンザ等感染症」から「5類感染症」に移行すると、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。 すでに感染症法上の措置の緩和は進んできている新型コロナに対する初期の対応と現在の対応(第110回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料) 新型コロナ流行初期には、病原性や感染経路など未知の部分が大きかったことから厳しい対応が行われていました。 例えば、感染者は全例入院し、感染者の隔離期間や濃厚接触者の待機期間も14日間と厳しく設定されていました。 現在は、感染者の入院は原則として重症例に限られており、自宅療養も7日間にまで短縮しています。濃厚接触者の対応も家庭内感染など限られた状況に限
日本国内では2022年9月から接種が始まったオミクロン株対応ワクチンですが、接種から4ヶ月が経過し、有効性と安全性に関するデータが蓄積されてきました。 現時点におけるオミクロン株対応ワクチンの有効性・安全性に関するデータをご紹介します。 オミクロン株対応ワクチンとは? オミクロン株対応ワクチンの作用機序(フィンランド保健福祉研究所の資料より筆者作成) オミクロン株対応ワクチンは、野生株とオミクロン株の両方のスパイク蛋白の設計図を持ったmRNAを接種することで、野生株とオミクロン株のそれぞれの鍵に対して免疫を作るワクチンです。 令和5年1月現在、野生株とオミクロン株BA.1の2価ワクチン、そして野生株とオミクロン株BA.5に対応した2価ワクチンが接種可能となっています。 これらは、どちらもオミクロン株のスパイク蛋白を作り出すワクチンですが、BA.1対応ワクチンはBA.1というオミクロン株の亜
12月14日に豊中市から、新型コロナに感染した4000人についての後遺症のデータが発表されました。 本研究について計画・実施・解析に関わった筆者から概要をご説明致します。 新型コロナ後遺症とは?新型コロナ後遺症で頻度の高い症状(筆者作成) コロナ後遺症で頻度が高いのは、図に示したように「倦怠感」「息苦しさ」「嗅覚異常」「脱毛」「集中力低下」などです。 報道などでは「コロナ後遺症」という言葉がよく使われますが、厚生労働省は「罹患後症状」と呼び、診療の手引きを作成しています(筆者も編集委員です)。海外では「LONG COVID」「Post COVID-19 condition」などと呼ばれています。 定義は様々ですが「発症から少なくとも4週以上経過してからも続いている症状」を指すことが多く、この中には咳など発症時からある症状もあれば、脱毛など回復してから新たに出るものもあります。 コロナ後遺症
11月に入ってから新型コロナウイルス感染症の感染者が増加傾向となっています。 これから年末年始を迎えるにあたり、安全に忘年会を開催するためにはどういったことに気をつければ良いでしょうか? 年末を控え、新型コロナ感染者が増加中日本国内の新型コロナ新規感染者数の推移(厚生労働省 データからわかる-新型コロナウイルス感染症情報-のデータを元に筆者作成) 過去最大の流行となった第7波は8月中旬にピークを迎え、その後新規感染者数は減少傾向となっていましたが、10月上旬からは再度増加に転じています。 第6波、第7波のときの増加のスピードよりは緩やかではありますが、十分に減少していないところから増加しており、特に北海道ではすでに第7波のピークを超えて新規感染者数が発生しており厳しい状況となっています。 このように、年末年始に向けて感染者が増加する中で「今年も忘年会は難しいかなあ・・・」と悩まれている方も
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