2022年10月の所信表明演説で、岸田文雄首相は個人のリスキリング支援に5年間で1兆円を投じると表明した。この施策は経済成長や賃上げにつながるのだろうか。パーソル総合研究所の小林祐児・上席主任研究員は﹁リスキリングを従来と同じ“工場モデル”の発想で考えているとすれば、確実に失敗するだろう﹂という――︵第1回︶。 いまなぜ﹁リスキリング﹂なのか 時代の変化が激しくなる中で、働く個人も学び、変化し続けることが求められています。﹁学び直し﹂﹁リカレント教育﹂など、これまでも生涯にわたる学習の重要性は長らく叫ばれてきましたが、2022年、それらに代わって社会人の学び領域の一大キーワードに躍り出たのが﹁リスキリング﹂です。 この言葉が注目されるようになったきっかけは2018年、世界経済フォーラムの総会、通称ダボス会議で提唱された﹁リスキル革命﹂ですが、遅れること数年、日本でもブームがやってきました。
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