因果応報を意味する﹁カルマ﹂は、多くの短編小説や映画、テレビドラマのテーマとなっている。これまで他人をしいたげて利用してきた人物が、物語の最後の方で助けが必要になったとき、過去の悪行を覚えている人々から同じ仕打ちを受けるという筋書きだ。ただこのような因果応報は、残念ながら国際関係ではめったにみられない。だからこそ、中国とオーストラリアの関係の最近のニュースは、胸がすくものだ。 話は2020年の新型コロナウイルス感染症のパンデミック︵世界的大流行︶に至るまでの数年間から始まる。当時、中豪の貿易関係はかつてないほど緊密だった。これは自然な流れで構築されたものだ。オーストラリアは農業と鉱業が盛んで、かたや中国はオーストラリアが提供できるものを必要としていた。オーストラリア産の石炭と鉄鉱石は活況の中国の鉄鋼産業に、綿花は中国で急成長中の繊維産業に供給された。そしてワインは、中国で急増していた富裕層
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