企業や組織が成熟し、安定してくると、メンバーの中に﹁今うまく行っているのだから、明日も同じようにうまく行くはずで、できるだけ現状を維持したい﹂という考えが芽生えてくることがある。 その結果、組織に新規のメンバーが加わった時、特に新規メンバーがその組織に取って何らかの形で刺激的だった場合、次のような事象が起こることがある。 組織が安定した状態が長く続くと、半年前には誰もが﹁改善が必要﹂と合意していたような不便さや非効率さも、﹁まあそんなものか﹂と日常に溶け込んで当たり前のことになってしまうことがあるが、これまで外部の世界を見てきた新規メンバーは﹁常態化した理不尽さ﹂に敏感なので、現状に問題がある、と指摘することがある。こうした指摘は、﹁自分たちのやり方を批判している﹂と受け止めることもあるが、慣れで麻痺した感覚を揉みほぐしてくれるマッサージのようなものとして機能することがある。 能力のある人