→紀伊國屋書店で購入 名著として定評のあるこの古い本を、最近読みなおす機会があった。学生時代に読んで、数学へのあこがれをかき立てられた本であったが、今読みなおしても、なお感動できることにあらためて驚かされた。実は、ちょっと調べたいことがあって、確認のためにぱらぱらと眺めるだけのつもりだったのだが、読み出したらやめられなくなって一気に最後まで読んでしまったのである。 この本では、数学の中の基本的な︵しかし奥深い︶話題を四つ選んで、とてもやさしく、かつ丁寧に解説してある。一つ目は無限集合の大きさを測る話、二つ目は群などの抽象代数の考え方、三つ目はトポロジー、四つ目は変換と幾何学の話である。式はほとんどなく、どの話題も身近なところから説き起こして、歴史的背景、携わった数学者の立場や信念などにも立ち入りながら、いつの間にか読者を引き込んでしまう。具体的なイメージが持ちやすい例や、考え方を端的に理解
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