→紀伊國屋書店で購入 ﹁一尾のイワシは4日かけて食べる!﹂ フランスは塩が豊富だ。地中海でも大西洋でも作っているが、ブルターニュの﹁ゲランドの塩﹂は日本でも有名だろう。特に﹁fleur de sel︵塩の花︶﹂と呼ばれる最高級のものは、料理の素材が何であれこれだけで味付けして美味しいし、ワインと抜群の相性だ。日本ももちろん島国で海に囲まれているのだから、古来塩は豊富であったはずだ。とは言えそれは海岸部での話で、山間部では上杉謙信と武田信玄の﹁敵に塩を送る﹂というエピソードで有名なように、塩が不足していた。当然そこには塩を運搬する﹁塩の道﹂が存在する。 食料がなくとも、塩と水があればしばらく人は生きていられるとも良く聞く。だがこれほど身近な塩なのに、塩の﹁歴史についての研究は、昭和の初めまでわれわれの目にとまるようなものがなかった﹂と宮本常一は﹃塩の道﹄で語る。 揚浜式から入浜式、土釜、鉄釜
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