→紀伊國屋書店で購入 ﹁青だけでなく、西洋における色彩の歴史﹂ 西洋の絵画における青というと、すぐにフェルメールを思い出したりするが、ぼくたちが簡単に考える色一つにも長い歴史があることを教えてくれる興味深い書物だ。西洋の歴史においては長い間、色材の﹁三原色﹂が黄色、マゼンタ、シアンであることは知られていなかった。色の位置は構造的に決まっていたのであり、赤、白、黒が基本的な三つの色だった。 赤とは染めた色であり、白とは染めていない清純な色であり、黒とは染めてなくて汚れた色だというのが基本的な考え方だったのだ。デュメジルの西洋社会の三つの原則もこの色の規則で表現できるくらいであり﹁中世盛期まで、色に基づくすべての社会規範と表象体系の大半がそれを中心して組織されていた﹂(13)のである。構造主義の理論と同じ形で色の表象体系も決定されていたのは興味深い。 ところでキリスト教においても色は重要な問題
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