オリンピック開会を一週間後に控えた2021年7月15日、僕はあるニュース記事を見て目を疑った。 それはミュージシャンの小山田圭吾︵52︶が、東京五輪の開会式で楽曲製作を担当する、というもの。 僕は﹁何かの冗談ではないか﹂と思った。が、そんなことはない。確かに小山田圭吾が楽曲製作を担当するのだという。 小山田圭吾の名前は知っていた。僕も音楽は好きだ。中でもandymoriというバンドが大好きで、そのボーカルは小山田壮平という。よく名前が似ているからたまに間違えそうになる。それで知っていた。 しかし、小山田圭吾の音楽は全く聴いたことがない。それほど興味が湧かなかったのだろう。 そしてもう一つ。小山田圭吾は僕の中学校の先輩である。小山田は東京都町田市にある私立和光学園の中学、高校を卒業している。 この和光学園は僕の母校である。町田市真光寺のキャンパスで中学生の三年間を過ごした。小山田圭吾は和光学
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