およそ13億人の国民を数え、携帯電話の契約件数は11億件以上。しかし、その一方でトイレのない生活を送っている人が約6億人もいるインドという国家。IT産業の隆盛を中心に経済大国への道を突き進むなか、市井の人の暮らしぶりはどう変化しているのか……。 経済データという﹁上から目線﹂ではなく、トイレ事情を切り口にした﹁下から目線﹂で、国家の矛盾・問題・実態に迫った一冊が﹃13億人のトイレ 下から見た経済大国インド﹄︵角川新書︶だ。共同通信社の記者である佐藤大介氏が著した本書より一部を抜粋し、インドという国の一面を紹介する。 ◇ ◇ ◇ トイレに行くのも命がけ ニューデリーから車で約6時間。パンジャブ州の中部にあるバウンドリ村を訪れたのは、2017年11月下旬のことだった。一帯には収穫を終えた小麦畑が広がり、乾いた土の上を水牛がのっしのっしと歩いている。そんな風景に溶け込むように、子どもたちが裸足で
![「家にトイレがあれば、約400人の女性はレイプを免れた」 インドにおけるレイプ犯罪の深刻さ | 文春オンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/be5faa2187fdb916578b3478e3abce5d0a918b94/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbunshun.jp%2Fmwimgs%2Fc%2Fa%2F1200wm%2Fimg_ca4d49e00879c1a9e8c5e34fe43b238362437.jpg)