近年、﹁日本の労働者の低賃金﹂が問題になっています。 1990年代半ばまで、日本の賃金は世界トップクラスでした。ところが、その後今日に至るまで名目賃金はほとんど上昇せず、物価上昇分を差し引いた実質賃金は1997年を100として2016年には89.7に低下しています︵OECD調査︶。 また退職金も1997年の2871万円をピークに減少し続け、2018年は1788万円と、21年間で1000万円以上もダウン︵厚生労働省﹁就労条件総合調査﹂︶。 日本がどんどん貧しくなるのとは対照的に、世界各国で着実に賃金が上昇しています。いまや日本の賃金水準は、欧米先進国に遠く及ばず、アジアでもシンガポールや韓国の後塵を拝するようになっています。 日本が低賃金から脱却することは可能でしょうか。新たに発足した岸田首相が掲げる﹁新しい資本主義﹂で賃金はどうなるのでしょうか。 アベノミクスの盲点 労働者に賃金を払うのは
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