2013.10.4更新 ソウルの市場で放射能を測定する現地の海産物業者。ネットで広がる﹁放射能怪談﹂が韓国経済を直撃している ︵AP︶ 東京電力福島第1原発の汚染水問題で福島などの海産物の輸入を禁止した韓国が、自縄自縛に陥っている。放射能にまつわる風評がひとり歩きし、あらゆる海産物に波及、自国の水産業者が深刻な販売不振に悩まされているのだ。根拠のない噂やデマがインターネットを介して﹁放射能怪談﹂として拡散し、調味料や生活用品も売れなくなる事態に発展。﹁実体のない恐怖﹂で打撃を受ける韓国経済の現状をノンフィクションライターの高月靖氏がルポする。 日本のお盆にあたる韓国のホリデーシーズン﹁秋夕︵中秋節︶﹂︵今年は9月下旬︶で異変が起きた。 この時期は食品関連のギフトセット商戦がたけなわになる。例年なら定番であるイシモチ、タチウオといった海産物が飛ぶように売れるが、今年は﹁前年比30%の下げ幅で