2012年のアジア新興国・地域を振り返って見ると、日米欧の先進各国の成長率が低迷したことを背景に、アジア新興国・地域では輸出の落ち込みが目立った。2013年は先進国の回復が見込まれているが、予想外にアジア新興国・地域では輸出の回復が見られない。このアジア新興国・地域の輸出低迷の理由としては、欧州の長引く低迷と、米国の輸入を伴わない回復、︵中国を中心にした︶一次産品需要の低下などでもたらされていると考えられる。また、現在は顕在化していないものの、今後は円安の影響によって、さらに輸出が鈍化するリスクも孕んでいる。したがって、アジア新興国・地域自身でこうした状況を打破することは難しく、輸出の回復はこれらの要因の解消を待つ必要があるとも言える。また、今年はこれらの要因の解消は難しいと考えられるため、結果として、アジア新興国・地域の輸出回復は緩慢になるだろう。ただし、構造変化によって輸出が低迷してい
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