1――増築から減築へ 親の姿が見えなくなると泣いていた子供も、成長すると親の目が届かない個室を欲しがるようになる。しかし、子供部屋を増築して広くなった家も、子供が学校を卒業したり結婚を契機に独立したりしてしまうと、夫婦のみで住むには大きくなり過ぎてしまう。誰も使わない部屋を掃除するだけでも面倒だ。夫婦だけで住むのに適した間取りに合わせるのと同時に、様々な思い出はあるものの面積も減らすという減築が増えているという。 日本の人口は2008年頃をピークに減少傾向に転じ、このまま生まれる子供の数が低水準に留まれば、日本に住む人の人口は2048年には1億人を割り込むと予想されている。人口の増加が終わると、それを前提に設計されてきた日本社会は、様々な面で見直しを迫られるようになった。増築を重ねてきた日本社会は、減築を迫られているようなものだ。 2――少子化克服に必要な社会の変化 日本社会は、ここ数十年
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