︵英エコノミスト誌 2011年6月11日号︶ 一部の関係者は安価な﹁中国価格﹂の終焉を予測している。一方で、もっと楽観的な人もいる。 ﹁安い製品はもはやこれまでだ﹂と言うのは、ブルース・ロコウィッツ氏。恐らくほかのどの企業よりも多くの衣料品や一般家庭用品をアジアから買い付けている利豊︵リー&フン︶のCEO︵最高経営責任者︶である。 同社は専門とするローテク分野で、中国の対米輸出の4%を扱っており、欧州向け輸出についても相当量を担っている。 また、利豊は東アジアの複数の国でも事業を展開しており、ハンドバッグからバースツールに至るまで、あらゆる商品について安価で信頼性の高い仕入先を熱心に探している。だからこそ、ロコウィッツ氏が﹁アジアの低価格生産の時代が終わりに近づいている﹂と発言すれば、人々は耳を傾けるのだ。 アジアの製造業はいくつものフェーズを経験し、各フェーズは30年ほど続いたと同氏は主