2006年12月10日放映のNHKスペシャル﹁ワーキングプアII 努力すれば抜け出せますか﹂は、前作﹁ワーキングプア 働いても働いても豊かになれない﹂の第2弾。 非常に戦闘的な、言い換えると論争的な中身だった。 前作はワーキングプア︵働く貧困層。生活保護水準以下ととりあえず規定されている︶の実態とそれを生み出す構造を描いた。これにたいして、﹁II﹂はもちろん引き続きワーキングプアの実態を描くのだが︵前作に1400通もの反響があり、キャスターの鎌田自身も未曾有の経験だという︶、サブタイトルにあるように﹁努力すれば抜け出せる﹂という議論に、ルポを通して反論している。 ﹁努力すれば抜け出せますか﹂という疑問、そして反語として。 ﹁ワーキングプアといっても、努力すれば抜け出せるではないか﹂――これは自己責任論にもとづく最も有力な議論である。実際にインターネット上でも前作への反響としてこのような議論