一辺14mもある超軽量の帆に太陽光を受け、光の圧力で加速する――金星探査機﹁あかつき﹂と同時に打ち上げられた﹁イカロス﹂は、世界初のソーラー電力セイル︵宇宙帆船︶だ。ロケット推進剤を使わず、太陽光で推進するので、原理的には太陽の光が届く限り加速し続けることができる。光の圧力は微弱で、発生する加速度も小さい。しかし何年も加速し続ければ、ロケットエンジンでは到底実現できない速度に到達することも可能だ。 ソーラー電力セイルを実現するためには超軽量の薄膜を宇宙で展開する必要がある。このため基本的なアイデアは一世紀近く以前からあったが、﹁イカロス﹂以前に宇宙空間で実証された例はなかった。2001年と2005年に、アメリカの惑星協会が、試験機を打ち上げたが、共にロケットのトラブルで打ち上げに失敗している。2010年12月にもアメリカのナノセイルが分離後に通信が途絶している︵2011年1月追記︶。﹁イカ
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