最近、コンピュータ業界ではベイズ理論が注目を集めているという。ベイズ理論とはいったいどんなもので、どのように応用されているのだろうか。 ベイズ理論とは、英国の長老派教会派の牧師であったトマス・ベイズ︵1702-61︶により築かれた確率の原理である︵注1︶。ベイズが発見したといわれる定理によれば、原因から結果が生ずる確率が与えられると、結果が原因から生ずる確率が分かる。数学的に述べれば、ベイズの定理とは、事象EとHに対して、HならばEという条件付き確率P(E|H)と、EならばHという条件付き確率P(H|E)を結びつけるものである︵注2︶。Eという事象を観測することで、Hに関する確信度を示すHの確率分布が正確になる︵注3︶。これをベイズ更新という。 ベイズ理論では、原因の分布を最初に主観的に選び、データが観測される度にこれを更新するため、帰納的主観的であるといわれる。ベイズ統計学の研究者達は、
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