評論家の故・江藤淳氏は、1999年に『産経新聞』に寄せた文の中で、当時の都知事選を制した石原慎太郎氏を「無意識過剰」と評した。他人から何を言われようと気にしない、それが反感を買う一方で大衆の共感をも得たというのである。これはのちに『読売新聞』のコラム「編集手帳」でも取り上げられ、いまでは逆に、豊洲市場問題などで石原氏のマイナス面を語る際に欠かせないワードとなっているようだ。 ここから来ているかどうかは不明だが、「無意識過剰」という言葉はいま、ネット上でそれなりに存在感のあるワードになっている。「自意識が薄くなんの配慮もない(そのため周囲が振り回される)」タイプの人を揶揄するときに使われる。ただ、だからこそ魅力的・個性的といえる面も改めて強調しておきたい。 無意識過剰の表現は単なる自意識過剰のもじりなので、初出がわからないほど昔から存在する。たとえば、かつて漫画家の根本敬(ねもと・たかし)氏
ふだん何気なく暮らしていて、別にいろはかるたなんかしなくても、諺であるとか故事成語であるとか慣用句みたいな言い回しに触れる機会がわたしたちには多々あります。 その中でもよく見聞きするのがこの「井の中の蛙大海を知らず」ですが、どうやら続きがあるというようなことを永六輔さんが仰ってたとか、それ以外にも大勢の方々がいくつか教示されているとのことなので何例か見てみたいと思います。 ◎井の中の蛙(かわず)、大海を知らず。ただ空の深さ(青さ)を知る ◎大海の鯨、井の底を知らず ・井の中の蛙 大海を知らず されど 井の中を知る ・井の中の蛙 大海を知らず されど 空の青さを知る ・井の中の蛙 大海を知らず されど 空の高さを知る ・井の中の蛙 大海知らねども 花は散りこみ 月は差し込む 上記の◎については永六輔さんの言葉です。2点目については鯨ではなくて翼の生えたカエルがうにゃうにゃぁって出てくる伏黒恵
前 次 hellog〜英語史ブログ #4134. unmummied --- 縦棒で綴っていたら大変なことになっていた単語の王者[minim][spelling][orthography][byron] 中世英語の筆記における縦棒 (minim) が当時のスペリングの解読しにくさの元凶であることは,以下の記事で様々に取り上げてきた. ・ 「#91. なぜ一人称単数代名詞 I は大文字で書くか」 ([2009-07-27-1]) ・ 「#1094. <o> の綴字で /u/ の母音を表わす例」 ([2012-04-25-1]) ・ 「#2450. 中英語における <u> の <o> による代用」 ([2016-01-11-1]) ・ 「#2453. 中英語における <u> の <o> による代用 (2)」 ([2016-01-14-1]) ・ 「#3607. 中英語における <u> の <o
「ウサギ年」ではなく「卯(う)年」と呼ぶのが適切としたツイートに、国語辞典編者の飯間浩明さんが否定的な反応をしました。至らぬ点を反省しつつ、書き言葉では卯年の方がよいと判断するわけを説明します。 1月4日の毎日新聞校閲センター運営のツイッターで〈2023年は「卯(う)年」。ウサギは卯年に割り当てられた動物ですが、暦としては「ウサギ年」ではなく「卯年」と呼ぶのが適切でしょう〉と記しました。 これに対し、国語辞典編者の飯間浩明さんから以下のツイートがありました。 〈暦としては「ウサギ年」ではなく「卯年」と呼ぶのが適切〉とのことですが、これはやはり報道の内規レベルのものと思います。現に「うさぎ年」でニュースを検索すると普通に出てくるし、会話では「うどし」より「うさぎどし」が伝わりやすい。二者択一という印象を与えるのは好ましくないでしょう。 https://t.co/NIasE6VAoA pic.
1993年生まれ。京都市伏見区出身、宮崎県在住。天性の分からず屋で分かられず屋。ボードゲームと坂口安吾をこよなく愛している。 前の記事:高千穂の郷土料理「かっぽ鶏」はワイルドでおいしい > 個人サイト もがき続けて100年生き抜くブログ こういうことがしたいのです ラテン文字で書かれた文章がすべて英語ではないことと同様に、デーヴァナーガリー文字で書かれた文章がすべてヒンディー語やサンスクリット語になるというわけではない。これが今回の特集のキモである。詳しいことは後述するとして、まずは目指すところを提示したい。 これがデーヴァナーガリーで書かれた文章である。読み方は知らなくとも、なにか神聖なメッセージが記されているという気はするだろう。 しかし書かれているのは、こちら側のどこからでも切れます、だ。 他の例も挙げよう。日常に根ざしたメッセージを書くこともできる。 よりにもよって角煮である。わざ
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