フライパンでパンを焼くようになってから、しばらくつづけるうちに、だんだんと手をぬくようになっていった。断続的ではあったけれど、そうやって焼きつづけるなかで、いまのスタイルができあがった。 まずひとつめのおおきな変化は、フライパンではなく、オーブントースターをつかうようになったことだ。パンはオーブンでなければ焼けないというおもいこみは、最初は鍋で、つぎにフライパンでパンを焼くようになって、私のなかからきえていた。それでも、オーブントースターでやけるとはおもっていなかった。オーブントースターは、なまえに「オーブン」とあっても、オーブンではない。高温を維持する窯ではなく、電熱で上下からあぶる、どちらかといえばグリル調理器に分類されるものだ。けれど、やってみたらどうにかなった。もちろん、気をつけるポイントはある。 もうひとつのおおきな変化は、生地をこねるのをやめたことだ。パンづくりといえば生地をこ
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