欧米に住む同年代のほとんどの人たちと同様、筆者の最初の携帯電話はNokiaだった。不格好なアンテナが飛び出た、緑がかった黒のプラスチックのずっしりとしたかたまりだ。画面には、半透明のゴム製ボタンと同様、オレンジ色のバックライトが搭載されていた。また、当然のことながら、ディスプレイは簡素なモノクロだった。全体として、確かに現在のスタンダードである薄型と比べればレンガのようだが、大学在学中、どういうわけか正常に機能しなくなるまで、ずっと使っていた。その後、お恥ずかしい話ながら、FMラジオが聴けるという誘惑に負けて、見せかけだけのPhilipsに買い換えたが、1年もせずに使いつぶしてしまった。 その後10年余りで、携帯電話は先進国でマスマーケットが確立され、誰もがポケットに入れて持ち歩く時代に変わっていっただけでなく、流行やメーカーの巧みさにより、さまざまな形態や機能の進化が見られた。 移動中の
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