哲夫さんが小・中学生向け補習塾﹁寺子屋こやや﹂を開いたのは、所属する吉本興業の社員から﹁塾の費用が月6万~7万円かかる﹂と聞いたのがきっかけだった。 ﹁高すぎると思いました。金持ちしか賢くならへんやんけと。一部の人間だけが賢くなる﹃置いてきぼり教育﹄は嫌やなと思ったんです﹂ ﹁月6万~7万円﹂は高額な部類だが、塾にかかる費用は決して安くない。文部科学省の調査※1によれば、2021年度の1年間で公立小学校に通う小学生の﹁補助学習費﹂︵自宅学習や学習塾・家庭教師などの経費︶の平均額は12.0万円、公立中学校に通う中学生は30.3万円。1カ月あたりではそれぞれ1万円、2万5250円だ。塾に通いたくても、経済的な事情で通えない子どもがいるのは事実だろう。 ※1文部科学省﹁令和3年度子どもの学習費調査﹂︵2022年12月21日公表︶ ︵追記‥説明がわかりにくかったようなので最後に簡単な図を載せまし