珍妙な四人組、ミャンマーに降り立つ ﹁スモーキング、オーケー?﹂ タクシーの助手席に座る、梶田さん︵マフィア梶田、ゲームライター︶が聞いた。このタクシーは日本の中古車で、﹁車内禁煙﹂のシールが貼られたままになっている。 運転手は苦笑いしながら﹁As you like﹂と言ったが、梶田さんはうまく聞き取れなかったようだ。 ﹁好きにしろって言ってますよ﹂ 真後ろに座っていた高口さん︵高口康太、中国語翻訳者・ライター︶が通訳する。丸々と肥満した高口さんは、すでに首回りに汗をにじませている。暑い。まだ午前中であるにもにもかかわらず、気温は35度を超えている。桜もまだ咲いていない東京とは、ざっと20度の気温差がある。 後部座席で僕と高口さんに挟まれている御簾納さん︵御簾納直彦、ライター︶は、長髪だからなおさら暑そうだ。既にへばり気味なのか、むっつりと黙り込んでいる。 結局梶田さんは、タバコに火をつけ