英語が公用語として使われていると聞くと、国民の多くが英語を話すというイメージを抱く人も多いだろう。 実際、日本でも2000年に英語の第二公用語化が論じられたことがあり、この議論でも英語公用語化は日本人総バイリンガル化と同一視されていた︵﹁21世紀日本の構想﹂懇談会最終報告書にはまさに﹁日本人全員が実用英語を使いこなせるようにする﹂という文言がある。︶ 御存知の通り、インドの公用語も英語である。インドの人々とビジネス等で議論したことがある人のなかには、彼ら彼女らの凄まじく流暢な英語に驚いた人も多いだろう。こういった﹁英語=公用語﹂および﹁インド人ビジネスパーソン﹂のイメージから、インド人は皆︵と言わないまでも多くの人が︶英語を話せると考える人がいても不思議ではない。 しかしこれは実態とは異なる。2005年に実施されたインド人間開発調査︵IHDS-2005︶では英語力が尋ねられていたので、その