2023年の全国人民代表大会︵全人代︶が3月13日に閉幕した。第3期習近平体制は混乱なく順調な滑り出しを切ったかに見える。中国共産党は安定を誇示するが、その背後には隠れた危機が忍び寄っている。 ﹁コロナ後﹂の景気は順調 昨秋の中国共産党第二十回全国代表大会︵二十大︶で、習近平総書記の第3期政権が確定した。このタイミングで党幹部の新人事が行われたが、首相や閣僚など国家機関の人事は全人代で決定される。すなわち、二十大から全人代までの約半年間は、突発的なアクシデントに対応しづらい権力移行期である。 間の悪いことに、中国では新型コロナウイルスの封じ込めが継続できなくなり、ゼロコロナ対策を転換するという大事件が起きている。誰もが不安を抱く状況だが、中国はこの苦境をどうにか乗りきったと評価していいだろう。 全人代初日となる3月5日、2022年を振り返る政府活動報告が発表された。最後の晴れ舞台となった李
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