E-Bookの市場を創っていくためには、当事者間の権利の再調整とともに、これまで市場が機能していなかった部分に公正な市場を創設する努力が必要とされる。かなり注意深く議論を組み立てて、不安や摩擦を解消しながら、あるべきデジタル社会の認識と問題解決を共有していかねばならないだろう。第1回セミナーで議論された内容は、そのまま今後の重要なテーマとなっている。 Q004. デジタルコンテンツの時代に著作権は根本から考え直すべきではないか。 こういう意見が出された。折しも、デジタル化をめぐって﹁著者﹂と﹁出版者﹂との権利調整が問題化しており、“タブーを設けない”ことを標榜する EBook2.0プロジェクトとしても取組むべき火急のテーマでもある。もともと﹁著作﹂権︵というより“copy”right︶は、ヨーロッパ近代の印刷業の成立とともに︵その権益保護のために︶生まれた権利概念だ。複製コストが限りなく安