【東京】対ドルの円相場が約38年ぶりの安値に沈む中、日本は円の上昇を望んでいる。そして日本は、世界最大規模のドル資産を保有している。 多くのアナリストは、日本政府が管理するドル資産の一部を円資産に戻す準備を進めていると予想する。その資金規模を考えると、この方針は世界の金融市場に影響を及ぼす可能性がある。 公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は3月31日時点で、246兆円(1兆5300億ドル相当)の運用資産を持つ巨大な投資機関で、その大きさから資本市場の「クジラ」と称される。全体の半分は海外の株式と債券で運用され、その大半はドル建てで保有されている。GPIFは5年に一度の運用戦略見直しを開始しようとしている。 米国の社会保障制度のような年金制度が長期的な課題に直面する高齢化社会において、日本は異例の方針を採った。 現役世代が受け取る給与から、年金給付に充当している額以