2020年にベラルーシから亡命した野党指導者スヴェトラナ・ティハノフスカヤ氏は、ロシアの「ミサイルと爆弾」がベラルーシ国内に到着したとアレクサンドル・ルカシェンコ大統領が発表したことについて、核兵器が「狂った独裁者の手に渡った」と危険性を強調するとともに、西側が「沈黙を守っている」と批判した。ルカシェンコ氏は受け取った「爆弾」について、広島や長崎へ投下された原爆より「3倍は強力」だとロシアのテレビに話している。 ポーランド・ワルシャワでBBCの取材に応じたティハノフスカヤ氏は、ロシアの戦術核兵器がベラルーシに配備されたことについて、1991年にソヴィエト連邦が崩壊して以来、ロシアの戦術核兵器がロシア国外に初めて配備されたにもかかわらず、西側諸国の政治家は沈黙していると批判した。 ルカシェンコ大統領は、ロシア国営テレビの司会者と共に、ベラルーシの田園地帯で番組に出演し、「ロシアから受け取った
ロシアの同盟国、ベラルーシのルカシェンコ大統領が、ロシアのウクライナ侵攻は失敗に終わる-との認識を示したとも取れる発言をし、ロシア語圏のメディアやSNS(交流サイト)上で話題となっている。 ベラルーシ国営ベルタ通信によると、ルカシェンコ氏は9日、同国で開かれた第二次大戦の対ドイツ戦勝記念式典の後、「自国内で領土や家族、子供のために戦う国民を打ち負かすのは不可能だ」と述べた。発言は、報道陣が「北大西洋条約機構(NATO)側がベラルーシへの軍事圧力を強めている」とし、それに対するルカシェンコ氏の見解を尋ねた際のものだが、露SNS上などでは「暗にロシアを批判したのではないか」との憶測が広がった。 憶測の背景には、ルカシェンコ氏がロシアに忠誠を示しつつ、侵攻には否定的で、米欧側との決定的対立や国内の不安定化を招く参戦を巧妙に避けてきた-との見方が強いことがある。ベラルーシとウクライナは歴史的に、同
英国防省は26日に発表したウクライナ情勢の分析で、ロシア西部ブリャンスク州で線路が何らかの爆発によって損傷し、ロシア国内の反戦団体が犯行を主張していると指摘した。同団体が自らの行為だと主張する鉄道インフラへの破壊工作は6月以降、この件を含め6件起きているという。 【写真】「国家の戦争」から「個人の戦争」へ プーチン氏が見落とした変化 英国防省やロシア紙ベドモスチによると、ブリャンスク州の線路が損傷する事件は24日、隣国ベラルーシとの国境から約15キロ離れた村のそばで起きた。線路はロシアとベラルーシ南部を結ぶ主要な路線で、この件について「ストップ・ザ・ワゴンズ」と名乗るロシアの反戦団体が自らの犯行だと主張しているという。 英国防省によると、ロシア軍はウクライナへの部隊派遣を主に鉄道輸送に頼っている。しかし、同省は線路のネットワークは3万3千キロ以上に及ぶとし、大半が人気のない地域に敷かれてい
「イスカンデルK」ミサイルの発射試験。ロシア国防相公開の動画の静止画(2022年2月19日公開、資料写真)。(c)HANDOUT / RUSSIAN DEFENCE MINISTRY / AFP 【3月26日 AFP】ウクライナ国家安全保障国防会議のオレクシー・ダニロウ(Oleksiy Danilov)書記は26日、ツイッター(Twitter)で、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領がベラルーシへの戦術核兵器配備で合意したと明らかにしたのを受け、ロシアはベラルーシを「核の人質」として扱っていると非難した。 ダニロウ氏はまた、ベラルーシへの戦術核配備は、同国の「国内不安定化への一歩」だと指摘。「ベラルーシ社会におけるロシアおよびプーチン(大統領)への否定的な見方と、大衆の拒絶を最大限に拡大させるものだ」と語った。(c)AFP
ロシア・モスクワの赤の広場で行われた対独戦勝を祝う軍事パレードに出席したベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領(中央、2023年5月9日撮影)。(c)Gavriil GRIGOROV / SPUTNIK / AFP 【5月15日 AFP】ベラルーシの反政権派指導者で、リトアニアに亡命しているスベトラーナ・チハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏は15日、アレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領(68)の健康不安が報じられたことを受け、国民に対し政変に「備える」よう呼び掛けた。 1994年から権力を握り続けるルカシェンコ氏は、ここ6日間公の場に姿を見せず、重要な行事を欠席し続けている。 先週ロシアの首都モスクワで行われた対独戦勝記念式典には出席したものの、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が主催し
東京五輪の陸上女子200メートル予選に2日に出場を予定していたベラルーシのクリスツィナ・ツィマノウスカヤ選手(24)が、コーチ陣を批判したとして代表を外され、意思に反して帰国を命じられたとロイター通信などが伝えた。ツィマノウスカヤ選手は1日夜に羽田空港で帰国便への搭乗を拒み、日本の警察に保護を求めたという。AP通信は、ツィマノウスカヤ選手がオーストリアへの亡命を求めているという人権団体の見解を伝えた。 国際オリンピック委員会(IOC)は2日、ツィマノウスカヤ選手と直接連絡を取ったことをツイッターで明らかにし、「彼女は安全だと感じている」とした。IOCは選手、チーム側双方と今後の対応を協議する。ツィマノウスカヤ選手は1日にSNSで「(チーム側は)私の同意なく日本から連れだそうとしている」と述べてIOCに介入を求めていた。
ロシアの民間軍事会社ワグネルの戦闘員に提供される可能性がある野営地。ベラルーシ・マヒリョウ州ツェリにて(2023年7月7日撮影)。(c)Alexander NEMENOV / AFP 【7月29日 AFP】ポーランドとリトアニアは、ロシアの民間軍事会社ワグネル(Wagner)の部隊が隣国ベラルーシに駐留していることを受け、同国との国境の閉鎖を検討している。リトアニアのアルノルダス・アブロマビチュス(Arnoldas Abramavicius)内務次官が28日、明らかにした。 アブロマビチュス氏は記者団に「実際に検討している。国境を閉鎖する可能性がある」と述べた。 リトアニアは西側の同盟諸国に対し、ワグネルの戦闘員が亡命希望者を装ってベラルーシから欧州連合(EU)加盟国へ流入したり、難民を巻き込んだ挑発行為を行ったりする可能性があると繰り返し警告してきた。 アブロマビチュス氏は「ある種の混乱
「ベラルーシはプーチン氏の共同侵略者になってしまった」 ロシアの隣国ベラルーシで民主化運動を率いてきたスベトラーナ・チハノフスカヤ氏の言葉です。 3年前の大統領選挙で“ヨーロッパ最後の独裁者”とも呼ばれるルカシェンコ大統領の対立候補として注目を集めたチハノフスカヤ氏。 ロシアによる軍事侵攻を一貫して支持するルカシェンコ政権とどう対じしていくのか。国外での活動を余儀なくされているチハノフスカヤ氏に祖国への思いを聞きました。 (国際部記者 高須絵梨) チハノフスカヤ氏とは? スベトラーナ・チハノフスカヤ氏(40歳)は2人の子どもの母親で、もともと政治経験はありませんでしたが、3年前の大統領選挙で直前に拘束された夫に代わって立候補しました。 大統領選挙で演説するチハノフスカヤ氏 (2020年8月) 「政治犯の解放」や「公正な選挙」を訴え、強権的なルカシェンコ政権に不満を抱く国民の支持を集めました
ウクライナの首都キーウで共同会見に臨む(左から)ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領、リトアニアのギタナス・ナウセーダ大統領(2023年6月28日撮影)。(c)Sergei SUPINSKY / AFP 【6月29日 AFP】ウクライナを訪問したポーランドのアンジェイ・ドゥダ(Andrzej Duda)大統領は28日、ロシアの民間軍事会社ワグネル(Wagner)部隊のベラルーシ駐留について、周辺諸国への潜在的脅威となり得るとの懸念を示した。 ドゥダ氏は首都キーウでウクライナ、リトアニア両国大統領と共同記者会見に臨み、「ワグネルのベラルーシ駐留が、国境を接するポーランド、リトアニア、ラトビアへの潜在的脅威となる可能性は排除し難い」と語った。 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、反乱を起こしたワグネルに重装備の
ベラルーシ・ブレスト近くで実施されたロシアとの合同軍事演習。ロシア国防省提供の映像より(2022年2月21日公開)。(c)AFP PHOTO/ RUSSIAN DEFENCE MINISTRY 【3月2日 AFP】ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は1日、南部の対ウクライナ国境地帯への軍部隊の増派を指示したと発表した。ただし、軍事同盟国であるロシアのウクライナ侵攻には参加しない方針。国営ベルタ(Belta)通信が伝えた。 ルカシェンコ氏は国家安全保障会議で、国土防衛のため、兵士数百人、装甲車、迫撃砲などで構成される戦術戦闘群5個を南部に追加配備すると述べた。現地には現在、ヘリコプターや戦闘機が配備されている。 ウクライナへの派兵については「われわれの仕事ではない」と否定した。 また、西部のポーランドとの国境地帯にも派兵すると言明。「い
ポーランドの首都ワルシャワで記者会見し、涙をぬぐうロマン・プロタセビッチ氏の母ナタリアさん(2021年5月27日撮影)。(c)Wojtek RADWANSKI / AFP 【5月28日 AFP】ベラルーシの反体制派ジャーナリスト、ロマン・プロタセビッチ(Roman Protasevich)氏(26)が乗った航空機が首都ミンスクに緊急着陸し、同氏が逮捕された問題で、欧州航空各社は、ベラルーシ領空を迂回(うかい)するルート変更をロシア側に拒否されたと明かした。プロタセビッチ氏の両親は27日、息子の釈放に向け国際社会の支援を訴えた。 欧州連合(EU)諸国は、プロタセビッチ氏の身柄拘束を受け、ベラルーシ航空各社による域内上空の飛行を禁止。EUは加盟各国の航空会社にベラルーシ領空を飛行しないよう要請している。 オーストリア航空(Austrian Airlines)は27日、ロシア当局がベラルーシ領空
我々としては「プーチン・ロシアはもうギブアップ寸前」と思いたいところだが、こちらの記事は、それとはだいぶ異なる様相を伝えている(政府系ではなく独立系のメディア)。以下、主要部分を抄訳しておく。 ロシアには、「特別軍事作戦」を継続する資金があるだろうか? 結論から言えば、ある。制裁を考慮しても、ロシアは社会保障を支出しつつ、軍事作戦を遂行するのに充分な資金がある。ある大銀行のアナリストは、資金は充分にあり、問題は国民がどれだけ忍耐するかだとコメントした。 米企業の石油・ガスアナリストの指摘によれば、ロシア経済にはまだ大きな余力があり、金融部門は有能な人材によって運営されている。問題は、資金というよりも、軍需産業など、部品が調達できるかという点にあるという。 ロシアの大手銀行のシニアアナリストは、次のような見通しを示す。ロシアの石油・ガスが即座に拒絶されることはないという基礎シナリオを仮定する
ベラルーシ部隊が国境展開 ウクライナ侵攻に参戦の観測 2022年05月28日05時39分 合同軍事演習中に握手するロシア軍兵士(左)とベラルーシ軍兵士(右)=2月19日、ベラルーシ西部ブレスト近郊(ベラルーシ国防省提供)(AFP時事) ウクライナ軍参謀本部は27日、ベラルーシ軍がウクライナ国境に近い南東部ゴメリ州に電子戦部隊を展開したと発表した。他の国境地帯でも7個大隊が態勢を強化しているといい、ロシアの軍事同盟国ベラルーシがウクライナ侵攻に参戦するのではないかという観測が、再び高まっている。 【図解】ベラルーシ地図 ベラルーシはウクライナ北部キーウ(キエフ)州などへの侵攻ルートをロシア軍に提供。既に間接協力をしているが、直接の参戦は見送っている。 ベラルーシのルカシェンコ大統領はロシアのプーチン大統領と頻繁に会談している。参戦すれば3カ国の戦争となるが、実現性は不明だ。ベラルーシ部隊の展
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