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2020年の年末は新型コロナの感染者の増加のため帰省がなかなか難しい状況でしたが、感染者も抑えられている今年の年末は帰省を予定している方も多いのではないでしょうか。 帰省の際に注意すべき感染対策のポイントについてまとめました。 移動そのものの感染リスクは高くない(提供:SHIROKUMA/イメージマート) まず前提として、旅行は感染症の拡大につながりやすいと言われていますが、移動すること自体は、感染リスクは高くありません。 例えば東京から小倉まで新幹線で移動した場合に、マスクを装着したまま居眠りして誰とも接触なく過ごせば感染することはまずありません。 では、なぜ旅行で新型コロナの感染リスクが懸念されるのかというと、移動すること自体よりも移動先での活動内容(会食、マスクを外しての会話など)が感染リスクに繋がり得るためです。 飛行機では一般的に客室の空気は2〜3分ごとに完全に入れ替わっており、
11月5日、ファイザーより新型コロナに対する飲み薬の抗ウイルス薬であるパクスロビドが重症化を89%防いだ、と発表しました。 このパクスロビドとはどういった薬なのでしょうか。 新規抗ウイルス薬と既存の抗HIV薬を組み合わせた薬剤このパクスロビドは新しい抗ウイルス薬(PF-07321332)と、既存の抗HIV薬であるリトナビルとを組み合わせた合剤です。 「なんでHIVの薬が・・・コロナと関係ないやろ・・・」と思われるかもしれませんが、感染症医的には「リトナビルブースト、キターーーー!萌えーーーーー!!」という感じです。 このリトナビルは、プロテアーゼ阻害薬という種類の抗ウイルス薬と併用することで、プロテアーゼ阻害薬の血中濃度を高く維持する効果があり、やや厨二心をくすぐる「リトナビルブースト」という名称がついています。 感染症医にとっての「リトナビルブースト」は、世間一般の「界王拳10倍」に相当
10代・20代の男性では、新型コロナワクチン接種後に心筋炎が起こることが知られていますが、この心筋炎の頻度はモデルナとファイザーのワクチンで異なることが分かってきました。 実際に頻度はどれくらい異なるのでしょうか? 新型コロナワクチン接種後の心筋炎・心膜炎の特徴は?ファイザー製のmRNAワクチン接種後の心筋炎の累積発生数 10万人当たり(DOI: 10.1056/NEJMoa2110737より) ファイザー社、またはモデルナ社のmRNAワクチンを接種した後に稀に心筋炎が発生することが知られています。 心筋炎とは、心臓の筋肉(心筋)に炎症が起こり、心臓の収縮力が低下したり、不整脈を起こしたりする疾患です。 新型コロナワクチンに関連した心筋炎の特徴としては、 といった特徴があります。 なお心筋炎を起こした事例も軽症例が多く、ほとんどの症例は軽快・回復が確認されています。 また心筋炎と同様に、新
メルク社は新型コロナウイルス感染症の治療薬であるモルヌピラビルの第3相試験の中間解析の結果を発表し入院または死亡を50%減少させたと発表しました。 この飲めるコロナ治療薬、モルヌピラビルが承認されたら新型コロナ診療はどう変わるのでしょうか。 初めて有効性を示した経口の抗ウイルス薬一般的に新型コロナウイルスは全く新しいウイルスであることから、新しい抗ウイルス薬の開発には時間がかかります。 なぜ抗ウイルス薬の中でもレムデシビルだけ早期に承認されたかというと、レムデシビルはドラッグ・リポジショニング(Drug Repositioning)、つまり既存のある疾患に有効な治療薬から別の疾患に有効な薬効を見つけ出すという考え方から新型コロナに承認された薬剤だからです。 レムデシビルはもともとはエボラ出血熱に対する治療薬として開発された薬剤ですが、実験室で新型コロナウイルスにも効果がある可能性があること
ブースター接種の効果や副反応などのデータが徐々に明らかになってきており、日本でも9月17日からブースター接種に関する議論が始まりました。 現時点でブースター接種について分かっていることをまとめました。 新型コロナワクチンの感染予防効果は経時的に低下する新型コロナワクチンによる感染予防効果の推移(ACIP "Framework for COVID-19 booster doses"より) アメリカは2020年12月から新型コロナワクチンの接種を開始しました。 当初、90%以上と高い感染予防効果を保っていましたが、徐々にその効果が落ちてきていることが明らかになってきました。 2021年7月には、多くの研究で感染予防効果が40〜80%まで落ちてきています。 その要因として、ワクチン接種後に中和抗体が徐々に低下していること、そしてデルタ株が拡大していることが挙げられます。 日本国内でも、藤田医科大
東京都の新規感染者数は現在も1日当たり5000人前後と非常に高い水準で推移していますが、SNSなどでは「ピークアウトが近いのでは?」という声が聞かれるようになってきました。 一方、東京都の専門家は「診断されていない感染者が多くいるのではないか」という懸念を示しています。 都内の感染者は本当に減ってきているのでしょうか?東京都の新規感染者の報告数は、実際の感染者数をどれくらい正しく反映しているのでしょうか? 東京都の感染者数の推移は「やや増加〜横ばい」に東京都における新規感染者数(東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト) 東京都における新型コロナ新規感染者数は7月下旬から8月中旬までの急激な増加ペースと比べると、現在は緩やかな増加もしくは横ばいになってきました。 現在も非常に多くの感染者が発生していることには変わりありませんが、増加ペースだけを見れば良い兆候と言えます。 しかし、東京都の専
2020年のインタビューで新型コロナウイルスについて語る忽那賢志氏=東京都新宿区で同年1月21日午前10時51分、金秀蓮撮影 国内有数の医療拠点「国立国際医療研究センター」(東京都)の感染症医として新型コロナウイルス対策に取り組み、7月に大阪大大学院教授に就任した忽那賢志(くつな・さとし)氏(42)が毎日新聞のインタビューにオンラインで応じた。コロナ対策で大阪府にも助言を行う立場から、感染拡大が止まらない現状を「かなり危険なところに来ている」と厳しい見方を示した。感染を収束につなげるための方策について踏み込んだ見解も示した。(後段でインタビュー内容を詳報) 府内では20日、4日連続で過去最多を更新する2586人の新規感染者が確認され、収束の気配が見えない。 忽那氏は「ワクチンの効果もあって高齢者の感染者が減り、重症化するケースも少なくなっている。感染者の中心は20~30代になり、高齢者に代
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