SREチームの長田です。 今回はカヤックで運用している「まちのコイン」というプロダクトのアプリケーション基盤を Amazon EKS(以下EKS)からAmazon ECS(以下ECS)に移行したはなしをします。 まちのコインとは coin.machino.co www.kayac.com まちのコインはカヤックが運営している、デジタル地域通貨を使ってその地域のコミュニティを活性化させるサービスです。 2019年11月から実証実験を開始し、翌年2月から正式リリースされました。 2022年9月現在、20の地域に導入されています。 一般ユーザーが使用するクライアントアプリと、導入地域の運営団体が使用するブラウザ用の管理画面、 それらにAPIを提供するRailsサーバーアプリがあります。 データベースはAmazon Aurora PostgreSQL、 その他AWSのマネージドサービスを組み合わせ
Red Hatの森若です。 自分でsystemdのservice unitを作るときに、起動用のいくつかのコマンドを記述したシェルスクリプトを呼ぶ事は(理想的ではないですが)あるかと思います。 今回はこの場合に、sudoを利用するとまずい理由を説明して、かわりにsetprivを使うほうがよいという話です。 例題用のservice 実行してみる 別のcgroupだと何がまずいのか? 対策はsetprivコマンド 例題用のservice sudoによるまずい動作を確認するためのできるだけ単純な例として、hoge.service を用意します。 /opt/hoge/hoge.sh #!/bin/bash sudo -u moriwaka sleep 5000 /etc/systemd/system/hoge.service [Unit] Description=hoge [Service] Ty
クラウドストレージやクラウドバックアップサービスを提供するBackblazeは2022年9月2日(米国時間)、データのバックアップ先を磁気テープである「LTO」(Linear Tape-Open)テープシステムからクラウドストレージに移行することに関して、よくある5つの誤解について解説した。 Backblazeは、「LTOテープからクラウドストレージへの移行により、ほとんどの人がバックアップデータに簡単にアクセスできるようになり、メンテナンス負担が軽減される。こうした利点は、IT担当者には周知だが、それ以外の人にはあまり知られていないかもしれない」との認識を示し、LTOテープからクラウドへの移行について、企業が十分な情報を得た上で決断を下す助けになるように、この移行に関するよくある誤解について説明した。 誤解1 クラウドの方が総所有コストは高い 最初の誤解は、LTOテープベースのバックアッ
「あるサービス用に開発した仕組みを全社共通の仕組みに変える」といったアプローチは決して珍しくない。一から仕組みを構築するよりは、先行事例としてうまくいっているものを流用したり機能拡張させたりする方が失敗は少ないからだ。 ただ、特定の目的に合わせて作った仕組みに汎用(はんよう)性を持たせることは簡単ではない。関係者なら誰でも使えるように環境を整備する必要があるし、運用の方法も全社での利用に合わせて変更しなければならない。 Cloud Operator Days Tokyo 2022のセッション「DMMプラットフォーム ゼロから始めるKubernetes運用 課題と改善」でDMMのpospome(ぽすぽめ)氏(マイクロサービスアーキテクトグループ SRE<Site Reliability Engineering>チーム)は、そうした「別の目的で構築された仕組み」の運用を引き継ぐときに起きた課題
デージーネットは2022年8月25日、「今後利用したいLinuxOSについてアンケート調査」の結果を発表した。 同社がアンケート調査を実施した背景には「CentOS」がどの程度利用されており、今後どのLinuxディストリビューションに移行すればよいのかという課題があるからだ。 「Red Hat Enterprise Linux」との完全互換性を目指したフリーのLinuxディストリビューションである「CentOS 8」は、サポートが既に2021年末に終了している。サポート期間がより長い「CentOS 7」も、2024年6月末に終了する予定だ。 CentOS終了後、何を使えばよいのか 関連記事 CentOS終了へ――移行先として注目の「Alma Linux」「Rocky Linux」を試してみよう RHELのダウンストリームとして位置付けられていたCentOSは、2021年12月31日をもって
Amazon Web Services(AWS)は、8月10日に開催したオンラインイベント「AWS Storage Day 2022」で、新サービス「Amazon File Cache」を発表しました。 Amazon File Cacheはその名の通りAWSで利用できる高速なファイルベースのキャッシュです。特徴は2つあります。 1つ目は、ミリ秒以下のレイテンシと数百ギガバイト/秒のスループットという高い性能です。Amazon S3やNFSサーバといったストレージのキャッシュとして利用することで、これらのストレージに対するアクセスを高速化できます。 2つ目は複数のストレージに対する単一のファイルビューを提供できることです。AWSの説明によると、Amazon File CacheはAmazon S3やAmazon EFSなどAWS上のストレージだけでなく、AWSからオンプレミス上のファイルサー
「取り返しのつかないことをしない」 昔、同僚と議論していて口走った言葉です。実はプログラマーとしてわりと重要な考えなのではないかと思います。 例: EC2のパブリックIPをスマホアプリに直書きする スマホアプリ向けの静的ファイルやバックエンドAPIをAWSに実装した際、最初はスモールスタートだと言うことでEC2インスタンス1台の構成にしたところまではいいが、インスタンスに自動で割り当てられるIPアドレスをスマホ側で直接参照する実装にしてしまった。 こうなると、AWS側はアーキテクチャを変えるどころか、EC2インスタンスを再起動することすらできません(再起動するとIPアドレスが解放されてしまう)。スマホアプリをアップデートして、IPアドレスを直接参照するのを止められればいいのですが、一度公開したアプリを100%アップデートするのは事実上不可能です。 最初にRoute53でホスト名を解決するか
概要 普段はソフトウェアエンジニアとして活動していますが、訳あってITとは全く関係ない建設業界の社内システムを作った時の話をします。古い体質と言われる建設業界ですが、高齢化により若者が定着しない、IT化の遅れから労働生産性が悪いといった問題が、そのまま「人手不足」「3Kイメージ」に繋がっています。 本記事では、全くシステム導入が進んでいないとある建築設計会社の情報システムを担当し、どんなSaaSを組み合わせて社内システムを構築したかを紹介します。紹介するSaaSは一例であり、全ての会社に当てはまるわけではないので、あくまで参考としていただきたいです。 導入したSaaS Microsoft 365 コアとなるグループウェアとしては、Microsoft 365を使用しています。通常のIT・ソフトウェア業界ではGoogleのグループウェアが多いですが、建築の会社では以下の理由でMicrosoft
システム開発の頓挫を巡る、文化シヤッターと日本IBMとの間の裁判で、東京地方裁判所は日本IBM側に19億8000万円の支払いを命じた。米セールスフォースのPaaSを用いた販売管理システムの構築を目指し、2015年に始めた開発プロジェクトだったが、2017年にストップしていた。東京地裁は開発失敗の原因をどう認定したのか。裁判記録をもとに読み解く。 文化シヤッターが、20年以上前から使用していた販売管理システムを刷新するプロジェクトを本格的に始動させたのは2015年1月のことだ。日本IBMに提案依頼書(RFP)の作成を委託。そのRFPを基に複数ベンダーから提案を受けた上で、日本IBMを開発委託先として選定した。 日本IBMの提案はシステム構築に米セールスフォースのPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)である「Salesforce1 Platform」を用いるものだった。RFPでは標準
いくつかのクラウドサービスでは、1年程度の無料トライアルや一定額のクーポンなどに加えて、期間の制限なくずっと無料で使える、いわゆる「Free Tier」や「Always Free」と呼ばれる無料枠のサービスが提供されています。 こうした無料枠は試行用の環境や一時的なテスト環境などとして、期間を気にせずサービスを試すうえで非常に有効です。 本記事では期限の制約なく無料で提供されている主なクラウドサービスを、2022年版としてまとめました。 ただしこれらの無料提供サービスは提供側の都合によって終了することもあり得ます。また、最近では半導体不足などの影響でクラウドのサーバリソースなどが不足がちのためか、無料枠の申し込みが制限される場合もありますので、それらに留意して利用しましょう(一部では無料枠が空いたらすかさず取得する自動スクリプトなども出回っているそうです)。 Amazon Web Serv
「AWS CDK Conference Japan」は AWS CDK ユーザーが集まって事例やノウハウを共有しあうイベントです。今回は、CDKv2をメインテーマに、初の大型カンファレンスが開催されました。アマゾンウェブサービスジャパンの大村氏は「Baseline Environment on AWS (BLEA)開発にあたって検討したこと」をテーマに発表しました。まずはCDKとBLEAについて解説したのち、これからCDKを使う方たちへのナレッジを紹介します 自己紹介 司会者:次は、今までがんばってCDK(Cloud Development Kit)を普及させてきた大村さんです。 大村幸敬氏(以下、大村):よろしくお願いします。 司会者:初めて聞く単語なんですが、読み方は「ブレア」でいいですか? 大村:「ブレア」でいいです。 司会者:準備ができたらBLEA(Baseline Environ
米国に遅れること約10年、腰の重い日本政府も2021年にクラウド・バイ・デフォルト原則を打ち出した。経済産業省も「DXレポート」を取りまとめ、クラウド利用を呼び掛けている。しかし、ガートナーの調査結果によると、日本企業のIaaS/PaaS利用率は25%未満。SaaS利用を含めても40%未満だ(2021年時点)。 どこもかしこも経営計画にDXを掲げているが、実態としてはクラウド活用が進まない企業の方が多いのが足元の状況といえるだろう。ちまたでは、その原因を「クラウドへの不安による思考停止」などと指摘する声も見られる。 しかし、問題はより深刻だ。実際はクラウドへの不安に限らず、“オンプレミス時代”とのズレ、企業間のしがらみ、コストに対する誤解など、原因は多岐にわたっている。クラウド活用ができていない企業は何につまづいているのか。NTTデータで社内外のクラウド活用を推進してきた筆者が、これまで見
3. フォーカス・リサーチ(2) サービス基盤でのストレージに関する課題と対応 3.1 はじめに IIJでは、2000年にクラウドサービス「IIJ GIO」の前身であるリソースオンデマンドサービス「IBPS」を開始した当時からサービス基盤にはストレージアレイシステムを採用しています。そして現在もIIJ GIOと自社サービス向けクラウド「次世代ホストネットワーク:NHN(Next Host Network)」においては、それぞれの基盤にストレージアレイシステムを採用しており、ストレージの容量は日々増え続けています。 本稿では、まずストレージについて理解を深めていただくために一般的なストレージについて紹介します。そして、お客様に安心してサービスをご利用いただくための取り組みとして、IIJがどのようなストレージ及びストレージネットワークを採用しているのかについて紹介します。 3.2 ストレージの
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