冷蔵庫付きの軽トラックに積み込まれているのは、トイレットペーパーなどの日用品から精肉などの生鮮食品、さらには土用の丑の日のうなぎといった季節商品までと幅広い。商品数は400品目1200点。取り扱われているのは、近隣にあるスーパーの商品と同じものだ。 新型コロナによる外出自粛の広まりを背景に、移動スーパー「とくし丸」が人気を集めている。 顧客の中心は、体力面や交通事情から買い物に行くのが困難な70~90代の人々。週に2回決まったコースを軽トラックで巡回し、固定客の自宅などを訪問する。 コロナ禍で売り上げを維持 とくし丸の1日当たり平均売上高(日販)は約10万円。5月の緊急事態宣言発令中に比べると金額は若干落ちたが、コロナ前の約9万円を今なお上回る。 とくし丸の新宮歩社長は「以前は無理をして買い物に行っていた人も混み合うスーパーに行っていいのかと悩んだり、かつては毎週子どもに買い物を頼んでいた
アブダビ首長国が提供した「スタン」の写真。骨格は再び組み立てられ、堂々たる姿を取り戻した。化石はアブダビに建設中の新しい自然史博物館に収蔵されるという。(PHOTOGRAPH BY DEPARTMENT OF CULTURE AND TOURISM, ABU DHABI) 2020年10月6日、ティラノサウルス・レックスの全身骨格化石「スタン」が、化石としてはオークション史上最高額となる3180万ドル(当時の為替レートで約33億円)で落札されて以来、古生物学会は大きな謎に包まれていた。これほどの高額でスタンを落札した匿名の人物は誰なのか? その人物はスタンをどうするつもりなのか?(参考記事:「33億円で落札のティラノ全身化石、今後の研究に懸念も」) その答えがついに明らかになった。スタンは、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビに新設される、自然史博物館の目玉になるという。 今年初め、ナ
コープさっぽろの宅配サービス「トドック」が急成長している。北海道のほぼ全域をカバーし、利用者は約44万人。さらにアマゾン進出を見据え、取扱商品の価格はすべてアマゾンの売価を下回る設定にしているという。北海道新聞の浜中淳記者の著書『奇跡の小売り王国「北海道企業」はなぜ強いのか』(講談社+α新書)からお届けする――。 パルシステムなどと同じ「生協の宅配」だが… 道民の食生活を守る強固なセーフティーネットの役割を果たしている事業者として、もう一つ忘れてはならないのが、コープさっぽろである。北海道の食品小売市場でほぼ8割のシェアを握る3極の一角で、前節で指摘したように、店舗事業の拡大は限界に近付きつつある。 ここで取り上げたいのは宅配事業者、移動販売事業者としてのコープさっぽろだ。 「『ポツンと一軒家』というテレビのバラエティー番組があるが、トドックを利用すれば、あのような場所に住んでいる人も、札
世界最大の鉄道見本市であるイノトランスには、各国の鉄道会社や鉄道メーカーのトップが一堂に会する。従業員数25万人、線路の総延長2万2300kmという巨大な国営企業、ウクライナ鉄道のオレクサンドル・カムイシンCEO(最高経営責任者)も会場に姿を見せた。大企業のトップに似つかわしくないポロシャツ姿というカジュアルないでたちは、Tシャツ姿でおなじみのゼレンスキー大統領譲りだ。 戦時下におけるウクライナ鉄道が果たす役割はますます高まっている。鉄道は欧州諸国へ避難する人々の交通手段であるほか、医師や医療機器を乗せ戦傷者を救急搬送する医療列車も運行する。各国からの支援物資も鉄道でウクライナの各地に運ばれる。また、これまで海運がメインだった小麦やトウモロコシといった穀物の輸出は、海上封鎖により貨物列車による輸送が重要性を増す。 ウクライナの生命線を守る まさにウクライナの生命線ともいえる鉄道をロシア軍が
「セコマ」はなぜ、レジ袋無料を続けるのか トップが「これでよかった」と語る背景:顧客満足度が最も高いコンビニ(1/4 ページ) 2020年7月、小売業におけるプラスチックごみの削減を目指し、コンビニのレジ袋が有料になった。現在、セブン、ローソン、ファミマの大手3社では、レジ袋を3円で提供している。 そんな中、レジ袋の無料配布を継続するコンビニがある。北海道No.1のコンビニチェーン、セイコーマートだ。セイコーマートは道内に1083店舗(2022年5月末現在)を構えている。日本生産性本部の調査では、顧客満足度が最も高いコンビニに6年連続で選ばれるなど、道民だけでなく、全国の消費者から興味関心を集めている。レジ袋の有料化が当たり前になった今、なぜ無料で配り続けるのだろう。セイコーマートの丸谷智保会長に話を聞いた。 30%バイオマス原料を使用したレジ袋を配布 経済産業省が定めるルールでは、「持ち
外資で唯一、日本に着実に浸透したコストココストコホールセールジャパン(以下コストコ)は1999年、福岡の初出店を皮切りに今年の7月30日には「コストコ木更津倉庫店」(千葉県木更津市:以下、木更津倉庫店)で日本国内の出店数は27倉庫店となった。来年には熊本、愛知、北海道に3倉庫店のオープンが決定されている。コストコの事業モデルは、会員制倉庫型店の形態を取って、取り扱うブランドやプライベートブランド商品のアイテム数を絞り込み、徹底して高品質で低価格な商品を販売している。取り扱い商品数約3,500点を他業態で比較すると、例えばコンビニエンスストアは2,500点から3,000点であることからも店舗坪数を考えるといかに絞り込んでいるかが理解できる。 そこで今回、他社との明確な違いについて述べていきたい。 外資系スーパーはこれまで日本における出店でいずれも撤退外資系スーパーの日本での出店進出が最も盛ん
――一部の書店からは、「CCCとばかり新しいことに取り組み、ほかの書店が後回しになっている」といった不満も上がっています。 TSUTAYAは友好的なビジネスパートナーなので、言わんとすることはその通りかもしれない。TSUTAYAがほかの書店など、いろんな立場の人たちから毛嫌いされているのも知っている。 でも、TSUTAYAに寄り添うことを悪だとは思っていないし、僕らの戦略でもある。「TSUTAYAとは一緒に仕事しません」とは絶対言えないし、言わない。 もちろんCCC以外の書店にも、一緒に持続的な形をつくっていくため、今後もさまざまな施策を提案する。誠心誠意お付き合いさせてもらいたい。 陰で悪口を言われているのはよく知っているが、僕らは別に弱くなっているわけではない。取引構造や事業構造を変えて、取次機能を残していく。パートナーと組んで新しい事業もどんどん強化する。 「(日販がコンビニだけでな
インドで男が直腸に隠して密輸しようとした、パッキングされたペースト状の金。中央産業保安部隊提供(2021年9月29日撮影)。(c)AFP PHOTO / Central Industrial Security Force of India 【9月30日 AFP】インド当局は29日、ペースト状にした1キロ近い金を直腸に隠し、密輸しようとした男を逮捕したと発表した。 男は27日、北東部マニプール(Manipur)州にあるインパール空港(Imphal Airport)の保安検査場で、「体腔内に金属が存在する」ことが発覚して拘束された。 中央産業保安部隊(CISF)によると、ニューデリーへ向かおうとしていた男は尋問に満足に答えられなかった。その後、職員が男を身体検査室へ連れて行き、下半身のX線検査を行ったところ、ペースト状の金計900グラム以上、約420万ルピー(約650万円)相当が入ったカプセル
いまや多くの人が利用するネット通販業界の頂点に君臨し、「当日配送」「送料無料」などのサービスを展開するAmazon。 佐川急便やヤマト運輸がAmazonの荷物の引き受けから撤退するなか、なぜここまでスピードを追い求めたサービスを実現できているのだろうか? POSSEメンバーで、労働者の組織化にも取り組んでいる岩本菜々が、現場で働く配達員のインタビューをもとに、過酷な現場の実態を描き出す。 公開期限:2月12日(月)まで 好評発売中! 『POSSE vol.55 特集:物流危機を救うのはAIと規制緩和か?』 ※本記事は、『POSSE vol.55 特集:物流危機を救うのはAIと規制緩和か?』に掲載された記事です。本書では、ほかにも物流業界のさまざまな現状を描き出す記事を掲載しています。ぜひご覧ください。 POSSE vol.55(特集:物流危機を救うのはAIと規制緩和か?) ★クレジットカー
日本出版販売株式会社(代表取締役社長 平林彰、以下日販)は、株式会社トーハン(代表取締役社長 近藤敏貴、以下トーハン)と2018年11月7日に締結した物流協業の検討を開始する旨の基本合意書に基づき、両社間における物流協業について検討を行ってまいりました。 今般、協業の第一弾として、両社間において、以下の内容にて雑誌返品業務について物流拠点を統合することにつき基本的な合意に達しましたのでお知らせいたします。 1.合意内容 (1)2020年中を目標に雑誌返品業務の業務提携を開始する。 (2)業務提携後の雑誌返品業務は、施設の立地や処理能力等を比較検討した結果、 出版共同流通株式会社蓮田センター(所在地:埼玉県蓮田市根金1464番地の1)にて実施することとし、 トーハン東京ロジスティックスセンターの雑誌返品業務を順次移管する。 (3)できるだけ早期に共同運営体制へ移行する。 ※詳細は「日販速報」
フィリピンの法執行機関が押収した象牙片。この後、DNA分析が行われる予定になっている。他の押収品のDNAと一致すれば、同じ犯罪組織が両方に関与している証拠になる。(PHOTOGRAPH BY NOEL CELIS/AFP VIA GETTY IMAGES) 2019年7月、シンガポール当局がある情報をもとに、コンゴ民主共和国からベトナムに向かっていた3つの木材コンテナを特定した。中に隠されていたのは、約9トンもの象牙片だった。300頭ぶんのアフリカゾウの象牙とみられ、132個の丈夫なビニール袋に入れられていた。さらに、センザンコウのウロコ約12トンも見つかった。 密輸の発覚はただちに積出港に通知されたほか、国際刑事警察機構(ICPO、通称インターポール)と、国境を越えた野生動物取引に関する国際条約を所轄するシンガポール国立公園局にも通報された。その国立公園局から連絡を受けたのが、米ワシント
フーディソン(東京都中央区)が運営する「perrot(ペロット)」は、「消費期限1日」という足の早い生鮮品までが並ぶネットスーパーだ。2020年8月にサービスをローンチし、生鮮三品(青果・精肉・鮮魚)を中心に扱っているが、特に鮮魚に強みがある。生きたままのカニやエビ、生ガキや季節の魚の刺身など、足の早い魚介類が新鮮な状態で届くことを武器にして勢力拡大中である。 鮮魚を売りにするスーパーマーケットは数あれど、あくまでも「リアル店舗」での話だ。ネットスーパーになると、販売する鮮魚の割合はぐっと下がる。この「生鮮ネットスーパー」というブルーオーシャンに挑むのがperrotなのである。 perrotの商品で目立つのが、日替わりのスポット商品だ。スポット商品は、獲れたての産直品が中心である。一般的なネットスーパーは、ネット専用の倉庫に商品を集めてから配送するケースと店頭の商品を配送するケースがある。
任天堂「Nintendo Switch」の周辺機器である“Proコントローラー”に、極めて巧妙な模倣品(偽物)が出回っています。かなり巧妙に作られており、見た目で判断するのは難しいもよう。本件について、任天堂に話を聞きました。 Nintendo Switch Proコントローラー(画像はMy Nintendo Storeから) “Proコントローラー”の模倣品がネットで大きく話題になったのは、5月18日。Amazonに投稿された、以下のレビューが注目を集めました。 amazon、またはネット通販で購入しないことをおすすめします。 10月に「ベストセラー1位」と書いてあるページにてこちらの商品を注文しました。 問題なく使用はできていましたが、2か月しないで右スティックの押し込みができなくなり任天堂へ修理に出したところ、写真にもありますがコントローラーの外側や箱自体はほぼ同じで中身だけ違うもの
世界最大級のコンテナ船「HMM サンクトペテルブルク」の船首。韓国南端の巨済島にあるサムスン重工業と大宇造船海洋(DSME)の造船所で。長鋪汽船提供(2020年8月12日公開、撮影日不明)。(c)AFP PHOTO / NAGASHIKI SHIPPING CO. 【8月15日 AFP】韓国の南端に位置する巨済(Geoje)島にあるサムスン重工業(Samsung Heavy Industries)の造船所では、世界最大級のコンテナ船「HMM サンクトペテルブルク(HMM St Petersburg)」の完成へ向け、最後の仕上げが進められている。 巨大な船体の奥深くにある、最高速度22ノット超での航行を可能にするエンジンはあまりに大きいため、溶接工らが小人のように見える。 建造費が1700億~1800億ウォン(約150億~160億円)というこの船の全長は400メートル。仏パリのエッフェル塔(
トヨタ、ホンダ、日産をはじめとする日本の自動車メーカー各社が大幅な減産を強いられている。その規模は合わせて100万台以上。世界的な半導体不足に加え、さまざまな部品の調達が滞っているためだ。 サプライチェーン=供給網で何が起きているのか。 部品供給の拠点になっている東南アジアで現場を取材すると、これまでの自動車産業の生産を転換させる、ある変化が起き始めていた。 (アジア総局記者 影圭太) サプライヤーと呼ばれる部品メーカーの担当者と今後の供給の見通しを話し合うためだ。 部品調達という機密性の高い部門の取材が今回許可され、私もその様子をうかがうことができた。 スクリーンには、供給される部品の数と生産に必要な数が、1日ごとに表示されている。 2つの数字を突き合わせて計画どおりに生産が続けられるか確認し、部品が足りないとわかった場合には、ほかのメーカーからの調達など対応策の検討に入る。 この日は半
セブン&アイ・ホールディングスが、北海道や東北、信越エリアを中心に総合スーパー「イトーヨーカドー」17店舗を閉店すると2月9日に発表した。今後は都市部を中心とした店舗展開を行い、収益性を高める意向だ。しかし、スーパーマーケットを取り巻く環境は大きく変化しており、出店場所やチェーンメリットだけで生き残るのは難しい時代に入っている。 魅力を失う繁華街の大型総合スーパー 都内を中心に店舗展開するイトーヨーカドーは、大井町や赤羽、上板橋、武蔵境などの駅前繁華街に大型店を出店している。衣食住のアイテムを総合的に取り揃えており、この業態は総合スーパーのカテゴリで親しまれてきた。 イトーヨーカドーが、洋品店中心の店内に食品売場を導入し、総合スーパーへと舵を切ったのが1966年。人口増による高度経済成長期の旺盛な需要を取り込んだ業態だった。そこに創立者・伊藤雅俊氏がアメリカ視察で得たチェーン政策を会社経営
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く