先日日記を公開した際に﹁介護の賃金がなぜ低いのか﹂という意見をいくつかいただいた︵統計を見ると若干上がっているようだが1、業界団体的には﹁従業員の確保が困難﹂な程度であるようだ2︶。この問題は﹁高齢化問題︵のうち特に年金財政の悪化︶は少子化対策では解決しない﹂=﹁長寿化とは老いの苦しみが長引くことである﹂といった議論と並ぶ、長寿化議論の中核をなす問題の一つで、𝕏︵ツイッター︶ではよく解説しているので、この機会にブログに固定しておこうと思う。 介護の生産性を上げられない 介護の賃金が上がらない理由の一つは、介護は生産性を上げにくい――一人当たり、単位時間あたりの処理量を増やしにくいからである。 多くの労働集約産業では、機械化で生産性が大きく向上してきた。製造業ではかつて家内制手工業の時代は職人が鑿と金槌を振るって一つずつ作っていたものが、機械化により短時間でで何百という数を作るものに変わっ