原作をアニメーションで忠実に再現しつつ原作では描かれていなかった細部が丁寧に補完されていた。作業中の貧乏揺すり、アシスタントの姿、当日の編集者との電話でのやりとりなど。アニメならではの動きがもっとも表現されていたのはスキップのシーン。この映画のベストシーンだと思う。 今まで漫画原作のアニメなんていくらでも見てきたのに、世界に色が付き、キャラが動いて声を出し、音楽が流れる。それがこんなにも作品世界を豊かにするのか、それによってこんなにも解像度が増すのか、と驚いた。映画館で見たから余計そう感じたのもかもしれない。 『ルックバック』の世界ってこういうふうだったんだ。 こう言ったらアレかもしれないが劇場版こそが完全版では? とすら思ってしまった。 原作を読んだときは、残酷な世界で創作者にできる抵抗は己の仕事を続けることである、そう解釈した。 でも今回劇場で見たらちょっと印象が変わって、ああこれは他