TOP 資料館 国際人権ひろば 国際人権ひろば No.133(2017年05月発行号) 「部落地名総鑑」出版とネット公開は禁止!~鳥取ループ・示現舎との裁判~ 国際人権ひろば サイト内検索 Powered by Google 国際人権ひろば Archives 「鳥取ループ(ブログ名)のM」は、「『同和はタブー』だと思い込んでいる人をおちょくる」ためとして、10年程前から各地の自治体に部落の所在地情報の開示請求をおこない、非開示になると訴訟を繰り返してきた。同時に、ネット上に部落の地名リストや地図、解放同盟員の自宅住所・電話番号・生年月日などの個人情報を晒(さら)してきた。また、「示現舎」という出版社を立ち上げ、同和行政や解放同盟を批判する書籍などを発刊してきた。 2016年2月上旬、示現舎は『全国部落調査・復刻版~部落地名総鑑の原点~』を出版・販売するためAmazon(通販サイト)で予約受
部落解放同盟と同盟員らが、川崎市の出版社とその経営者らを相手取り、全国の同和地区の地名などを記した本の出版とインターネットでの公開の禁止などを求めた訴訟の判決が27日、東京地裁で言い渡される。兵庫県内でも26人(うち2人が死亡)が原告に名を連ねる。同和地区の情報を公表することが「学問の自由」なのか。ネット社会の進展で、差別問題が新たな局面を迎える中、司法の判断が注目される。 訴えなどによると、出版社は2016年、戦前の調査報告書「全国部落調査」を復刻出版することをネットで告知。ウェブサイトには地名リストなどを公開していた。同盟側が申し立て、横浜地裁などが出版禁止やウェブページ削除の仮処分を決めた。その後、同盟員ら248人と同盟が、出版禁止などを求めて東京地裁に提訴した。 同盟側は、公表された地名が身元調査に利用され「差別を助長する」として、プライバシー権や名誉権、「差別されない権利」などが
映画『私のはなし 部落のはなし』 満若勇咲✕角岡伸彦 対談 2022/07/22 角岡 あさって(5月21日)に公開される『私のはなし 部落のはなし』と関係してくるので、最初になぜ僕たち2人が出会ったのかをお話しします。 今から15年前の2007年に、当時大阪芸大の3回生だった満若君から連絡がありました。彼とは20歳以上離れているので、君付けです。屠場・食肉センターを撮りたいということで、いろんなところに取材依頼したんやね? 満若 そうですね。連絡したけど、どこもそれは厳しいと言われたんですが、東京・芝浦の「お肉の情報館」で、大阪に食肉に詳しいフリーライターの方がいるのでご紹介いただいたのが角岡さんでした。 角岡 別に詳しくはないねんけどね。 満若 『ホルモン奉行』(解放出版社、2003年)という本を出されてました。 角岡 ホルモンが、どこでどのようにして食べられているか、という本です。そ
町山智浩さんが2023年8月29日放送のTBSラジオ『こねくと』の中で映画『福田村事件』について話していました。 (町山智浩)で、今日はですね、今週の金曜日。9月1日になるんですけれども。関東大震災からちょうど100年目なんですね。それで、ちょうどその9月1日に日本公開になる日本映画なんですが。『福田村事件』という関東大震災についての映画を紹介します。これはね、僕の知り合いも出てまして。水道橋博士が出ています。 (でか美ちゃん)俳優として? (町山智浩)はい。博士が参議院議員に当選した後に撮影してるんですけど。 (でか美ちゃん)ああ、そうなんですか? (町山智浩)そうなんですよ。で、彼の俳優がとして……今まで、何本かやってきてるんですけど。今回は一番いいですね。 (でか美ちゃん)へー! YouTubeもね、町山さんのに出られたりしてましたよね。水道橋博士。 (町山智浩)はい。なんか今、だん
Rolling Stone Japan vol.19掲載/Coffee & Cigarettes 37| 眞島秀和(Photo = Mitsuru Nishimura) 音楽、文芸、映画。長年にわたって芸術の分野で表現し続ける者たち。本業も趣味も自分流のスタイルで楽しむ、そんな彼らの「大人のこだわり」にフォーカスしたRolling Stone Japanの連載。島崎藤村の『破戒』が60年ぶりに映画化される。主人公・丑松(間宮祥太郎)が心酔する猪子を演じたのは、映画・ドラマ・舞台で活躍する俳優・眞島秀和。物語に厚みを与える存在感。その背景にあるものを探った。 Coffee & Cigarettes 37 | 眞島秀和 明治の小説家、島崎藤村による不朽の名作『破戒』が60年ぶりに映画化される。 信州小諸城下の被差別部落に生まれた主人公・瀬川丑松は、その生い立ちと身分を隠して生きるよう父から「戒
関東大震災から100年。歴史の影に隠れてきた、ある事件をテーマとした映画が公開されました。「オウム真理教」のドキュメンタリーなどを撮ってきた森達也さんが、初めて劇映画のメガホンを取った『福田村事件』です。 当初、福岡県内での上映は当初1館のみでしたが、今後5館にまで拡大する予定。ミニシアターを中心に上映される作品としては異例のヒットを飛ばしています。 福岡での公開にあわせて舞台挨拶に訪れた森さんに、話を聞きました。 (NHK福岡放送局 木内慧・河﨑涼太) 「この国はちょっとおかしいぞ」空気を変えるきっかけに 舞台挨拶に登壇する田中麗奈さん(左)森達也さん(右) ――映画の大ヒット、おめでとうございます。全国でも連日多くの観客を動員し、福岡での舞台挨拶のチケットは前日までに完売したそうです。この反応をどう見ていますか。 この映画がここまで多くの人びとに見てもらえる状況というのは、本当に予想外
一人の学生が、屠場(とじょう)の人々を撮影した「にくのひと」というドキュメンタリー映画を作った。思いのほか評判を呼んで劇場公開にこぎつけるところまで行ったが、部落解放同盟兵庫県連合会の抗議を受けて、作品はお蔵入りとなった。それから10年、かつての学生は部落問題に無理解だった自分を顧みて、今度こそは部落問題についての映画を作りたいと切望してカメラを回し始めた。そして完成したのがこの映画、3時間半の力作として世に出た。 本作は被差別部落に生まれ育った人々の肉声によって織り上げられていく。八十代の女性から二十歳の青年まで、多くの人々が自身の経験を語る。座談会形式だったり単独インタビューだったりと語り方は様々だが、それらはオーラルヒストリーの手法によって記録されていく。つまり、口述による歴史である。記憶をたどる歴史である以上、そこには間違いや隠蔽が生まれるだろう。言い淀みが何を意味するのか、沈黙の
聖と穢、政と暴を背負った男の肖像 昨年、「全国水平社」が結成100周年を迎えた。それを機に部落解放運動のこれまでの道程と現在の状況を明らかにするさまざまな書物が出版され、イベントが催されたが、もっとも見応えがあったのが、被差別部落出身者にキャメラを向け、差別の始原に迫るドキュメンタリー映画『私のはなし 部落のはなし』(満若勇咲監督)であり、もっとも読み応えがあった書物が、自由同和会京都府本部会長上田藤兵衞を扇の要にしながら部落解放史の光と闇を描いたノンフィクション『同和のドン 上田藤兵衞「人権」と「暴力」の戦後史』(伊藤博敏)であった。 2つの作品にともに登場するのが、京都駅の北東に隣接する、京都で最大の被差別部落「崇仁(すうじん)地区」である。 『同和のドン』では、アメリカ資本やサラ金「武富士」や、それらのバックに付いた中野会や会津小鉄会など地上げする側からこの地区の歴史が語られ、『私の
全国の被差別部落の地名リストが2016年、インターネット上に公開された。被差別部落の出身者ら248人は、リストを掲載した神奈川県の男性らを相手に、情報の削除を求めて東京地裁に提訴。27日に判決が言い渡される。原告側は「差別の道具にしかなり得ない」と主張し、被告側は「学術目的だ」と反論する。制限のない被差別部落の情報開示は新たな差別を生みかねず、裁判所の判断が注目される。 訴状などによると、掲載された情報の出典は1936年に政府の外郭団体がまとめた資料「全国部落調査」。5360以上の被差別部落の地名や戸数などが書かれている。表紙には「秘」と記され、取り扱いに注意を求める記述もある。 被告の男性は川崎市の出版社代表。16年に各被差別部落の現在地を加えた上で「全国部落調査」の画像ファイルを公開し、復刻版としての出版を計画して告知した。さらに、全国の被差別部落出身者らでつくる「部落解放同盟」幹部ら
自ら作りだした「虚構」に基づく「部落差別」を、なぜ「私」たちは乗りこえられないのか ドキュメンタリー『私のはなし 部落のはなし』の複層的な「まなざし」と「語り」 大島 新 ドキュメンタリー監督・プロデューサー ここ数年で唯一「乗った」他者の企画 ここ数年、私のもとに映像制作会社のディレクター(監督)やプロデューサー、あるいはフリーの映像作家から、ドキュメンタリー映画の企画についての相談が寄せられた。きちんと数えたわけではないが、少なくとも10件は超えている。 しっかりした体裁の企画書を携えて熱弁をふるい「出資を検討してほしい」という提案もあれば、「テレビ番組として作った作品を映画化したいので、プロデューサーとして参加してもらえないか」という相談もあった。言うまでもなく、映画は博打の要素が強い。自分が心底からやりたい企画ならばともかく、他人の企画に「乗る」には、余程のことがない限り決断できな
「福田村事件」 2023年9月7日(木)テアトル新宿にて。午後3時20分より鑑賞(A-11) ~関東大震災後の惨劇をもとに森達也監督が集団心理の恐ろしさを劇映画で描く 「A」「A2」「i 新聞記者ドキュメント」など、数々のドキュメンタリー作品を手がけてきた森達也監督が、初めて手がけた劇映画「福田村事件」。関東大震災直後の混乱の中で、千葉県東葛飾郡福田村で香川からやって来た行商団15人の内、幼児や妊婦を含む9人が殺害された虐殺事件をもとに描いた。 森監督は、初めはドキュメンタリーとしてテレビ局に持ち込んだものの断られ、それなら劇映画にと思ったもののなかなか実現の見通しは立たなかった。だが、名脚本家で「火口のふたり」などの監督でもある荒井晴彦と出会って、一気に局面が変わった。荒井も福田村事件を映画にしたいと思っていたのだ。 というわけで、脚本が佐伯俊道、井上淳一、荒井晴彦、そして監督が森達也と
灼熱の一日が終わろうとしている。利根川の川面は西陽をぎらぎらと反射して、河原に作られたゴルフ場では帰り支度の男たちが、和やかに声をかけ合っている。しばらく川沿いを歩き回ったけど、渡し場の痕跡らしいものは見つからない。土手の草の上に僕は腰を下ろす。 当然だけど惨劇の余韻などどこにもない。一陣の風が汗ばんだ頬を撫でる。たぶん78年前のその日も、きっと同じような風は吹いていたと思う。 大正12年9月6日、関東大震災から6日過ぎたこの日、千葉県葛飾郡福田村(現野田市)で事件は起きた。大八車に日用品を積んだ15人の行商人の一行がこの地を通りかかった。福田村三ツ堀の利根川の渡し場に近い香取神社に彼らが着いたのは午前10時ごろ。 この行商人の一行は五家族で構成されていた。一人が渡し場で渡し賃の交渉をする間、足の不自由な若い夫婦と1歳の乳児など6人は鳥居の脇で涼をとり、15メートルほど離れた雑貨屋の前で、
水平社創立から100年、組坂繁之委員長にその存在意義を問う 「暴力集団」という負のレッテル 2017年5月7日、部落解放同盟のトップである組坂繁之・中央執行委員長(78)の自宅に1通の茶封筒が届いた。 差出人の名はある著名な新興宗教団体の教祖。不審を覚えながらも開封すると、右親指に鋭い痛みが走った。封筒の内側には、開封時に指が切れるよう、デザインナイフの替刃2本が仕込まれていた。 滴り落ちる血を見ながら、組坂委員長は恐怖よりむしろ、激しい怒りを覚えたという。封筒のなかには予想通り、被差別部落と部落民を中傷する差別文書が入っていた。 この封書は、三重県四日市市で5日前に投函されたものだった。実は、この2カ月前から解放同盟の三重県連に5通、中央本部、大阪事務所、そして同盟の機関紙を発行する「解放新聞社」(大阪市)に各1通、同様の差別文書が届いていた。うち2通には、組坂委員長宅に送り付けられたも
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