動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿された被差別部落の個人宅などの動画約200本を、運営するグーグルが昨年、「ヘイトスピーチ指針に反する」として削除した。自治体などが削除を要請していたほか、被差別部落の出身者らが削除を求める署名を集めていた。インターネット上で被差別部落をさらす投稿は後を絶たず、出身者らは「世界的な企業が削除に動いた影響は大きいが、類似の投稿は多くある。さらに対策が必要」と訴える(森田真奈子) 昨年11月に削除されたのは民間アカウント「神奈川県人権啓発センター」の動画。2018年から全国各地の被差別部落の街並みを撮影して「部落探訪」のシリーズで投稿し、地名や個人宅、車のナンバー、墓石などがさらされていた。部落解放・人権研究所(大阪市)によると、シリーズは約200本の動画で構成され、一つの動画で数十万回以上の再生もあった。
Published 2022/11/30 23:36 (JST) Updated 2022/11/30 23:49 (JST) グーグルは30日、「ヘイトスピーチに関するポリシーに違反する」として、運営する動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開されていた被差別部落の地名をさらす100本以上の動画を削除した。神奈川県の出版社代表で「鳥取ループ」を名乗り活動する男性が投稿しており、差別の助長や悪質な身元調査につながるとして、国や自治体などが懸念を示していた。 動画は「部落研究」と称し、全国各地の被差別部落を訪ね、風景を映しながら地域の歴史などを語る内容だった。部落解放・人権研究所(大阪市)によると、出版社代表は2018年にユーチューブチャンネルを開設、投稿を繰り返していた。
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先日、仕事で大阪の被差別部落を訪ねる機会があった。何の仕事かと思うだろう。NHKの番組「バリバラ~障害者情報バラエティ~」の収録で、アフリカ系アメリカ人である私が被差別部落の地域を訪れ、地域の暮らす人の話を聞く、という内容のものだった。これにより、現在日本の被差別問題を考える、というのが番組の趣旨だ。 この模様は、2月6日と13日、「BLACK IN BURAKU~アフリカンアメリカン、被差別部落をゆく~」と題して放映された。 初回が放送された翌日、日本の友人が何人か私のところに来て、番組を見たと伝えてくれた。「どう思った?」と私が聞くと、ほぼ全員が似たような回答をした。異口同音に「とても難しかった」と。何がそんなに難しかったかと私が尋ねると、1人が「複雑なテーマだった」と答えた。2人、3人と同じ理由を口にしたとき、私は聞くのをやめた。 知らなかったから、気にしなかった 数日後、日本人の友
被差別部落の地名リストを巡る訴訟の判決を受け、東京地裁前で「勝訴」などと書かれた紙を掲げる弁護士ら=27日午後 被差別部落の地名リストをウェブサイトに掲載するのは「差別を助長する行為だ」として、部落解放同盟と幹部ら234人が川崎市の出版社「示現舎」代表者らに削除や計約2億6500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(成田晋司裁判長)は27日、リスト掲載は「出身者が差別や誹謗中傷を受けるおそれがあり、プライバシーを違法に侵害する」と判断した。その上で、該当部分の削除と計約488万円の支払いを命じた。 訴状によると、示現舎は2016年2月、全国5367地区の地名リストを記載した、戦前の「全国部落調査」を復刻出版すると同社のサイトに告知していた。
グーグルは、運営する「ユーチューブ」に投稿されていた被差別部落の地名や風景を載せた170本余りの動画を「ヘイトスピーチなどから利用者を守るガイドラインに違反する」として削除しました。 ユーチューブから削除されたのは、「神奈川県人権啓発センター」と名乗るアカウントが投稿していた被差別部落の地名や住居を含む風景などを載せた動画で、投稿していた男性によりますと178本に上るということです。 部落差別の解消に取り組む人たちなどでつくるグループの「ABDARC」が、ユーチューブを運営するグーグルに対し削除を求めていました。 グーグルは、動画を削除した理由について、「ヘイトスピーチなどから利用者を守るガイドラインに違反しているため」としています。 動画の削除について、男性は「納得がいかない。今後は独自のサイトに掲載することも考えている」と話しています。 一方、「ABDARC」のメンバーの川口泰司さんは
全国の被差別部落の地名をまとめた書籍の出版を計画し、掲載情報をウェブサイトに公開した川崎市の出版社に対し、部落解放同盟などが出版の禁止などを求めていた裁判で、2審の東京高等裁判所は「差別を受けない権利の侵害にあたる」と判断して1審よりも広い範囲で訴えを認め、書籍やサイト上で地名などの情報を一切公表しないよう命じました。 部落解放同盟と被差別部落の出身者230人余りは、川崎市の出版社「示現舎」が、出版を計画している書籍に全国の被差別部落の地名が掲載されているほか、その情報がウェブ上でも公開されているとして、出版社と代表などに出版とウェブサイトの公開をやめるよう求めました。 被告側は表現の自由だと主張しましたが、1審はプライバシーの侵害にあたると判断し、原告の住所や本籍がある地域を含む都道府県ごとのリストや個人情報などについて出版やウェブサイトのほか、第三者を通じての放送や映像化なども含むあら
全国の被差別部落の地名を巡る記事や写真などが掲載されたウェブサイトで、憲法が保障する人格権などを侵害されているとして、被差別部落に住む70代の男性が6日、投稿の削除を求める仮処分を大阪地裁に申し立てた。投稿は社会に根深く残る部落差別を助長・固定化させるとし、男性側は「差別されない権利の侵害」とも主張する。 申立書などによると、このサイトは川崎市の出版社の代表が運営。部落の地名を列挙した上で、代表が自ら撮影した地域の写真が掲載され、男性の自宅も写っているという。男性側は「暮らす地域が部落だと全世界にさらされ、不当な取り扱いや社会的排除といった差別を受けるかもしれない恐怖の中に置かれている」と訴える。 部落差別を巡っては、1970年代、被差別部落の地名などが掲載された図書が企業などに販売され、身元調査などに用いられる問題があった。法務省が回収・焼却する対応をとったが、2000年代に電子版が出回
全国の被差別部落の地名をまとめた書籍の出版を計画し掲載情報をウェブサイトに公開した川崎市の出版社に対し、部落解放同盟などが「差別を助長する」と訴えていた裁判で、東京地方裁判所は書籍やウェブ上で地名などの情報を公表しないことと480万円余りの賠償を命じました。 部落解放同盟と被差別部落の出身者230人余りは、川崎市の出版社「示現舎」が出版を計画している書籍に全国の被差別部落の地名が掲載されているほか、その情報がウェブ上でも公開されているとして、出版社と代表などに出版とウェブサイトの公開をやめるよう求めました。 被告側は表現の自由だと主張しましたが、判決で東京地方裁判所の成田晋司裁判長は「歴史的な経緯に照らすと被差別部落があったとされる地域に住所や本籍があることが知られると差別やひぼう中傷を受けるおそれがあると考えられる」と述べ、プライバシーの侵害に当たると判断しました。 そのうえで、原告の住
(4)東京高裁判決後、「勝訴」と書かれた紙を掲げる山本志都弁護士、「差し止め範囲大幅拡大」と掲げる中井健人弁護士と、ハンドマイクを持って説明する西島藤彦・部落解放同盟委員長=2023年6月28日、東京・霞が関、北野隆一撮影 部落解放同盟と被差別部落の出身者が、全国の被差別部落の地名をまとめた本の出版などはプライバシー侵害だとして、出版社側に出版の差し止めなどを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は「差別されない権利」を初めて認めた。 【写真】「全国部落調査」と書かれた冊子はこちら 6月28日午後。東京高裁の門前に出てきた100人近い原告らは「旗出し」を待っていた。「旗出し」とは、話題になった裁判の判決言い渡し後、弁護士らが裁判所前に出てきて「勝訴」とか「不当判決」などと書かれた紙を掲げることだ。形状から「びろーん」と呼ぶ人もいる。 約20分後、弁護士らが出てきた。山本志都、中井雅人両弁護士が
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全国の被差別部落の地名を本やインターネットに載せた出版社に対し、部落解放同盟などが公開の差し止めなどを求めた裁判で、東京高裁は6月28日、一審よりも差し止めの範囲を拡げ、賠償金額も増やす判決を言い渡した。その前日、RKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』で、この裁判についてコメントしていたRKB報道局の神戸金史解説委員が、過去に出版社側の人物から自身が攻撃された体験について、改めて報告する。 (RKB報道局・神戸金史解説委員) 本当に怒りがたぎると、顔は火照るのに、首筋は冷たく冷え切るのか――。私がこんな感覚を味わったのは、考えられないほどひどい差別行為を公然とする人々に、直接攻撃された時でした。(RKB毎日放送報道局解説委員・神戸金史)
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ウェブサイトに被差別部落の地名や風景の写真などを掲載するのは「差別されない権利」の侵害だとして、掲載された地域に住む大阪府の70代男性が、サイトを運営する川崎市の出版社「示現舎」の宮部龍彦代表に削除を求めた仮処分申し立てで、大阪地裁(井上直哉裁判長)が削除を命じる決定を出したことが7日、分かった。代理人弁護士が同日、記者会見を開き明らかにした。 決定は1日付。決定書によると、サイトは全国300カ所以上の被差別部落の写真や解説文を掲載した記事が投稿されている。男性が削除を求める記事では、男性の住居を写したほか「部落の寺」「これは同和住宅」などと記していた。 地裁は、記事で地域の秩序や治安に問題があるように示していると指摘。「差別を受けず平穏な生活を送る人格的利益を侵害している」とした。 男性側代理人の南和行弁護士は会見で「差別をあおる人に責任を取らせる、画期的な決定だ」と話した。 サイトを巡
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被差別部落の情報をまとめたウェブサイトに地名や住宅などの写真を掲載され「差別されない権利」を侵害されたとして、部落解放同盟大阪府連合会などがサイトの運営者に記事の削除と損害賠償を求める訴えを大阪地方裁判所に起こしました。 訴えを起こしたのは、部落解放同盟大阪府連合会と大阪府に住む70代の男性です。 訴えによりますと、川崎市にある出版社は、運営するウェブサイトで被差別部落であることを特定して地名を明示し、住居や風景などの写真を掲載しているほか、動画サイトでも映像を公開しています。 大阪府内では原告の男性が住む地域など36か所を掲載していて、部落解放同盟などは、「差別されない権利」を侵害されたと主張して記事の削除や1100万円の損害賠償などを求める訴えを8日、大阪地方裁判所に起こしました。 提訴のあと部落解放同盟大阪府連合会の赤井隆史 委員長は、「平穏な生活が危険にさらされるおそれがあるので、
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被差別部落の情報をまとめたウェブサイトに、自宅が写り込んだ写真などを投稿されたとして、大阪の70代の男性が削除を求めた仮処分の申し立てについて、大阪地方裁判所は「差別を助長するものだ」などとして、サイトの運営側に削除を命じる決定を出しました。 大阪府に住む70代の男性は、川崎市にある出版社が運営する、被差別部落の情報をまとめたウェブサイトに、自宅が写り込んだ写真や「同和事業で整備された」などと書かれた記事を投稿され「差別されない権利」を侵害されたとして、去年11月、大阪地方裁判所に記事の削除を求める仮処分を申し立てました。 これについて大阪地方裁判所の井上直哉裁判長は、7日までに決定を出し「その地域の居住者というだけで否定的な評価をするという誤った認識が、根強く残っていることなどを鑑みると、投稿された記事は差別を助長するものだ」と指摘しました。 そのうえで「地域の秩序や治安に問題があるよう
Published 2024/01/25 16:31 (JST) Updated 2024/01/25 16:49 (JST) ウェブサイト上に被差別部落の地名や写真などを掲載するのは「差別されない権利」に反するとして、新潟県内の掲載地域に住む男女3人と部落解放同盟新潟県連合会が、川崎市の出版社「示現舎」と同社代表に対し、削除とそれぞれ220万円の損害賠償を求めて新潟地裁に提訴したことが25日、分かった。 原告側によると、同社が運営に関わるサイトには、全国の被差別部落の具体的な名称や訪問した際の写真が載っており、うち新潟県内では15カ所が掲載。この地域の住民は、差別被害に遭うとの「不安におびえる生活を余儀なくされている」と主張している。
文字を書けないのに「脅迫状を書いた」とされた。被害者のものとされる万年筆が、3度目の自宅の捜索で突然「発見」された。自白調書は「認めれば(懲役)10年で出してやる」という警察官のうそに乗せられたものだった―。こうした〝証拠〟を元に無期懲役とされ、60年近く無罪を訴え続けている男性がいる。 埼玉県狭山市で16歳の女子高校生が殺害された「狭山事件」で、服役した石川一雄さん(84)だ。石川さんは周囲から差別を受ける地域「被差別部落」の出身だった。捜査の背景には地域への差別意識があったと指摘されている。 今年10月、静岡の一家殺害事件で死刑囚だった袴田巌さんのやり直しの裁判が始まり、「再審」を求める事件に注目が集まっている。石川さんは1994年に仮釈放されたが、「見えない手錠がかかったまま」と再審を訴え、全国を飛び回った。再審開始を求める署名は51万を超える。ただ、世間の関心の広まりはいまひとつだ
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