2024年6月26日にJR東日本中央線水道橋・飯田橋駅間で電気ケーブルが焼損した事故の原因について、JR東日本は同年6月28日に「レールと変電所をつなぐケーブルの一部が断線し、 残りのケーブルに大きな電気が流れたと推定している」と発表した。同事故では鎮火した後に運転を再開したものの、ケーブルで火花が散ったため再び運転を見合わせた経緯も明らかになった。 ケーブルの焼損は飯田町変電所の近くで発生。電車を動かした電気がレールを経て変電所に戻る「帰線」ケーブルが燃えた(図1)。電車を動かす電気は変電所からき(饋)電線・架線を経て電車に供給され、モーターなどを駆動した後で車輪からレールに流れ、レールと変電所をつなぐ帰線を経て変電所に戻る。レールと帰線の電圧(地面との電位差)は小さいが電流は架線と同じだけ流れ、中央線のような直流電化で10両編成が走る線区では電流の大きさは数千Aにもなる。