従来から、「ARMはx86より(電力的に)効率的だ」という言説があります。これは単純に「ARMは省電力なスマホ向けで、x86は電力を食うPC向け」程度のアバウトなイメージのこともありますし、前世紀のRISC vs CISC論争のころからある「ARMはx86 (x64を含む)に比べ命令セットがシンプルなので、命令デコードにかかる電力が少なくて済んで効率的」という議論の形をとることもあります。 この議論については、半導体エンジニアの多くは「ARMがx86 より効率が良いというのは、もはや過去の神話」(in today’s age it is a very dead argument)という認識を共有していると言っていいでしょう。有名なところではApple CPU (ARM)とZen (x86)の両方を開発したジム・ケラー氏のインタビューでも言われていますし、Chips and Cheeseとい
これはVRヘッドセットではない 「VRじゃない、もっとすごいものなんだ! WOW!」 「携帯電話じゃない、iPhone(後のスマホ)なんだ! YEAH!」 という話が大量に飛び交いそうなんで、とりあえずちゃんと釘を刺しておかねば。Timが発表するときにXRとも、VRとも言わずに「an entirely new AR platform」と言っていた。そう、こいつはVRのように見えるが、AR platformとして発表されたものである。ここを見誤ってはいけない。 またTimはこう続けている。「Vision Pro is a new kind of computer」だと。なので、アプローチとしては(当初の)Meta Quest Proに非常に近いアプローチ。あれも「コンピューターを置き換える」ような言い方をしていた。が、Quest Proと、世に広く使われているQuest 2等の「いわゆるVR
同じARMだからといってポン付けでは動かんぞ定期 / 他6件のコメント https://t.co/ZW4ffdQP88 “「M1搭載MacでArm版Windows 10は動作可能。すべてマイクロソフト次第」アップル幹部が語る - Engadget 日本版” (23 users) https://t.co/aia65JYL5V— Takumi Sueda (@puhitaku) 2020年11月21日 追記: いろいろあって面白かったので、頂いたコメントの返信を末尾に追記しました 追記2: Engadget 日本版が閉鎖するため、上記記事「M1搭載MacでArm版Windows 10は動作可能。すべてマイクロソフト次第」アップル幹部が語るの魚拓を貼っておきます megalodon.jp 昨今の買収劇に始まり、というかそれ以前から、ARM (Arm) という固有名詞はコンピューターを語る上では
「RISC-V」という言葉が徐々にエンジニア界隈に普及し始め、技術界隈のニュースサイトだけでなく、一般的なニュースを扱うような新聞社の記事でも見かけるようになってきました。例えば以下のような記事です。 www.nikkei.com 半導体エンジニアではない人がこのような記事を書く場合、「設計IP」について正しい知識を持っておかないと、少しおかしなことになってしまいます。しかしこれは記事を書いている記者だけを責めることは出来ません。半導体設計業界はソフトウェア開発業界に比べて小さな業界で、プレーヤの数も少なく、ネット上にあまり情報も出てきません。時事ネタを速攻で記事に起こさないといけない新聞記者が「IPってなんだっけ?」「リスクファイブってなんぞや?」ということをいちいち厳密に調べてられない、ということも理解できます。 そこで、非エンジニア(というか非半導体産業の方)でも理解できるように、R
(雑に書いている戯言であることを最初に断っておきます。あくまで個人の感想です。) 実は私は今までRISC-Vには懐疑的だったのですが、最近の状況を知って考えを改めました。 RISC-Vとは RISC-V(リスク ファイブ)とはオープンソースライセンスで提供されている命令セットアーキテクチャ (ISA)です。 研究にも使うことができるし、実際に多くの半導体メーカーがこの仕様に基づいたCPUを開発、出荷しています。 多くのオープンソースのOSやツールチェインもすでにRISC-Vに対応しています。 私が懐疑的だった理由 RISC-Vはオープンソースであるゆえ、自由に拡張することができます。そのため様々な派製品が登場しています。シンプルな組み込み用のマイクロコントローラからパソコン用、サーバ用、HPC用など広い分野に渡ります。 かつてRISCの考え方にもとづいて開発されたMIPSというCPUがあり
近年のスマートフォンでは、iPhoneだけでなく、Android端末でも外部メモリスロットを使用できない機種も多く存在している。その理由はなぜか、考察したい。 外部メモリスロットを搭載しないスマートフォンの代名詞として、AppleのiPhoneが挙げられる。加えて近年ではAndroidスマートフォンにおいても、10万円クラスのハイエンド機種を中心に外部メモリスロットを利用できない機種が販売されている 2021年、日本でキャリアが発売した10万円以上のスマートフォンにて、外部メモリスロットを利用できる機種は、ソニーのXperiaシリーズとシャープのAQUOS R6(ソフトバンクより発売のLEITZ PHONE1を含む)にとどまった。SIMロックフリーで展開されたハイエンド機でもASUS Zenfone 8 Flipに限られる。 ハイエンドと呼ばれるスマートフォンで外部メモリスロットが利用でき
sponsored セブンアールジャパンの西川氏とASRockの原口氏にコダワリを聞いてきた パソコンショップSEVENとASRockのコダワリが炸裂! Threadripper PRO 7995WX搭載BTOPC sponsored 従来よりもさらにコスパよくゲーミングPCを組みたい方へ ゲーミングマザーボード「GAMING PLUS」シリーズ完全解説&自作のオススメ構成例も紹介 sponsored スタンダードなスリムPCだが高性能! そんな注目のマシンがセールで販売中 sponsored GWにゲームどっぷりを考えているなら、今がチャンス! マウスのゲーミングPCセール中! sponsored BaaS普及を追求し続けるGMOあおぞらネット銀行と、ARIのAWS導入支援cnarisに迫る sponsored 強化ガラス製マウスパッド「ROG Moonstone」など気になるデバイスも
Apple M1/M2対抗の「Oryon」はWindows on Armの流れを変えるか:鈴木淳也の「Windows」フロントライン(1/2 ページ) 「Windows on Arm(WoA)」あるいは「Windows on Snapdragon」は、10年来Microsoftがチャレンジしている「ArmプロセッサをPC分野に適用させる」という目標において、いまだ市場の支持を得られていない取り組み中の課題だ。 Xboxしかり、Microsoftは一度決めた目標を簡単には曲げない「あきらめの悪い会社」として知られているが、過去に同社が目標としていた「タブレットPC」が現在ではごく当たり前のものとなりつつあるように、WoAについてもまた「これが我々の正しい道」とばかりに、開発を続けている。 同社にとって最初のWoAと呼べる「Surface RT」が市場投入されたのは、Windows 8が発表さ
11月21日、米半導体大手エヌビディアは、アップルにはできない中国を巡る懸念の払拭が可能だ。米カリフォルニア州サンタクララのエヌビディア本社で2022年5月撮影。同社提供(2023年 ロイター) [23日 ロイター] - 人工知能(AI)向け半導体で圧倒的シェアを誇る米エヌビディア(NVDA.O), opens new tabが、これまで米インテル(INTC.O), opens new tabの牙城だったパソコン(PC)用半導体市場に挑もうとしている。 事情に詳しい2人の関係者はロイターに、エヌビディアがマイクロソフト(MSFT.O), opens new tabの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」を動かすCPUの設計をひそかに開始し、そこには英半導体設計大手アーム(O9Ty.F), opens new tabの技術が使われると明かした。 マイクロソフトは、半導体メーカー各社がウィンドウズ
近年、スマートフォンのアップデート期間の長さが注目されている。その中でも気になるのが、機種によってアップデート可能な回数や期間に差があることだ。特に、AndroidスマートフォンはiPhoneに比べて、アップデート期間が短い傾向にある。今回はスマートフォンをとりまくOSアップデートの実情、新たな取り組みについて考察する。 検証コストやプロセッサのサポート期間が短命の一因に 一般的なAndroidスマートフォンのOSアップデートの流れとして、チップセットメーカーからそれぞれのプロセッサに最適化された、BSP(Board Support Package)が端末メーカーに配布されるところから始まる。 これをもとに端末メーカーは自社端末に採用しているタッチパネル、通信モジュール、各種センサーをはじめとした構成機器のドライバー更新を行っていた。ここに通信キャリアの声も取り入れながら、OSのアップデー
PCのライターとしてキャリアをスタートし、今はPC、スマホ、自動車の半導体などを中心に取材して幅広い媒体でニュース記事や解説記事などを執筆している。 MediaTekと言えば、多くのコンシューマユーザーにとっては「お安いスマートフォン」に搭載されている安価なArm SoCを提供する2番手、3番手の半導体メーカーというイメージではないだろうか。だが、既にそれは過去の話になりつつある。 実はMediaTekは、プレミアムAndroidスマートフォン向けSoCのイメージが強いQualcommに匹敵するようなSoCをリリースしている。今の時点では中国市場限定だが、ゲーミング向けのような高性能Androidスマートフォンにも採用されている。 また、元々普及価格帯のスマートフォン向けに強かった事情もあり、ここ数年のコロナ禍でのデジタル市場拡大という後押しを受けてシェアを拡大し、iPhoneも含めたスマ
当時は“世界最先端”だった――日本の「ケータイアプリ」の歴史を開発目線で振り返る:ITmedia Mobile 20周年特別企画(1/4 ページ) ITmedia Mobileの創刊20周年、おめでとうございます。 20年前といえば、NTTドコモが「iアプリ」のサービスを提供を開始した頃合いでもあります。スマートフォンが主流になった今、携帯電話にアプリを入れることは当たり前のことですが、当時のiアプリは非常に“画期的”なことだったのです。 筆者はかつて、ケータイ(フィーチャーフォン)向けのアプリ開発に携わっていました。そのことを知っているITmedia Mobileの編集担当者は、筆者に「ケータイアプリを“開発目線”で振り返ってほしい」とリクエストしてきました。 そのリクエストに応えるべく、この記事ではケータイアプリを主に“開発”面から振り返っていきます。なお、記事中の会社名やアプリ名は特
Google、NVIDIA、Qualcomm、インテルらが、RISC-V用オープンソース開発を加速させる組織「RISC-V Software Ecosystem」(RISE)プロジェクトを立ち上げ RISC-V(リスクファイブ)プロセッサ対応のオープンソース開発を加速させる組織「RISC-V Software Ecosystem」(RISE)プロジェクトが、Linux Foundation Europeをホストとし、Google、NVIDIA、Qualcomm、インテルを始めとする13社がボードメンバーとなってスタートしました。 もともとRISC-Vはカリフォルニア大学バークレイ校のコンピュータサイエンス科が開始した、新しいプロセッサ命令セットを開発するためのプロジェクトです。創立メンバーにはRISCプロセッサの基礎を築いた計算機科学者のデイビッド・パターソン博士らがおり、当初は教育に使う
Appleが2023年9月13日に開催した新製品発表イベントで発表された「iPhone 15 Pro/15 Pro Max」には、A17 Proチップが搭載されています。このA17 Proは、PC向けのCPUであるIntelの第13世代Core i9プロセッサi9-13900Kや、AMDのRyzen 9 7950Xに近しいシングルコアパフォーマンスを発揮することが明らかになっています。 Apple's A17 Pro Within 10% of Intel's i9-13900K, AMD's 7950X in Single-Core Performance | Tom's Hardware https://www.tomshardware.com/news/apples-a17-pro-challenges-core-i9-13900k-ryzen-7950x-in-single-cor
Android端末を始めとする数多くのデバイスに採用されている音声コーデック「aptX」と「aptX HD」がAndroidオープンソース・プロジェクト(AOSP)に追加され、誰でも利用できるようになりました。Qualcommが特許を持っていたこれらのコーデックが開発者に開放されたことが一体何を意味するのかについて、Android専門のジャーナリストであるミシャール・ラーマン氏が解説しました。 Qualcomm has open sourced its aptX and aptX HD encoders, making them freely available to Android OEMs. Here's what that means. : Android https://old.reddit.com/r/Android/comments/11t16lk/qualcomm_has_o
紅月さん@がんばらない @koduki SnapdragonとApple Siliconはシングル性能が明らかに違うけど、その違いは技術力の差なのかユースケースの差なのかが気になるな 2020-11-27 03:33:10 📙🔭✨NISHIMOTO Keisuke @keisuke_n @koduki 両方な気がしますね。開発規模については専門でやっているところと開発部門の1つなのかもあまり参考にならないと思いますが、Appleの方が広く深くやっているように見えますし、一方Snapdragonは一定のパフォーマンスが得られれば良いという方針にも見えて、それぞれ必要な目標が異なって見えます。 2020-11-27 03:39:46
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く