今回のひとこと 「根本的な課題は、グループ内の危機感のなさである。一人ひとりが経営者という意識が浸透していない点が問題だ」 危機的状況なのに危機感が足りない? パナソニックグループは、2022年度から2024年度までの3年間の中期計画に取り組んでいる。環状コースに例えるならば、最終コーナーを回ろうとしているところだが、パナソニック ホールディングスの楠見雄規グループCEOは、現在の状況を、「危機的状況にある」と表現する。 中期計画で目標に掲げているのは、3年間累積営業キャッシュフローが2兆円、累積営業利益が1兆5000億円、ROEでは10%以上の3つの経営指標である。しかし、2024年度の業績見通しによると、累積営業キャッシュフローは達成するが、累積営業利益およびROEは未達が見込まれている。 「キャッシュフロー重視の経営が定着したものの、株主から預かった資本で、十分な収益を生み出せていな