グロイス:つまり記憶と忘却の間ということだね。そしてこれはどうしても決して退けることはできない決定的な死の神秘だ。 カバコフ:そう、怪奇だ。消滅の怪奇。生そのものが消滅の怪奇なんじゃないかな?この血の繋がりのない物に関してためらう瞬間に、ぼくは半分神として、それの運命を決定する。そしてぼくは自分の運命を決める。ぼくは思い出がぼくの机の引き出しの中で生き続けることを決めることができるし、それを汚水の桶の中に入れて運び出し、消すこともできる。ぼくはこの物の主人だけれども、この物に美術館で生を与え、永遠もしくは反対に死を贈る出来事の奴隷でもある。 グロイス:今日、われわれは保存か廃棄かのあらゆる基準を欠いている。 カバコフ:これはまさに現代美術館だ。 (太字強調は引用者)開催日は2021年6月ですが、例により加筆修正等で一部の時空が歪んでいます。ご寛恕ください。 第2章凡例:ボリス・グロイス(亀
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