批評と日本に関するrikuzen_gunのブックマーク (2)
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天皇制を断念しよう-。批評家の大塚英志︵えいじ︶さん︵60︶は四月に刊行した﹃感情天皇論﹄︵ちくま新書︶で、そんな主張をした。﹁天皇制はわれわれが公共性をつくることを妨げている﹂。日本で民主主義を機能させるために、導き出した結論だという。 ﹁近代より前の庶民は村の中で人生を終えることができた。誰かとすれ違ったら、あの人は誰ってすぐに分かる﹂。そんな暮らしは明治以降に一変した。﹁村から東京にやってきたら、隣の人が何を考えているかも分からない。そういう状態から、社会はどうあるべきかという公共性をつくらなければいけなかった﹂ 社会を築くためには言葉を闘わせ、ともに暮らせる条件をさぐる必要がある。﹁それが﹃みんなが天皇を好きだから﹄でおしまいになった﹂。戦前・戦中には﹁天皇﹂という言葉によって、国民は不合理な政策も受け入れるようになる。
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今週のコラムニスト‥レジス・アルノー ︹7月27日号掲載︺ アメリカの作家ポール・セローはかつて、東京があまりに効率的なのに感服して﹁これは都会じゃない、機械だ﹂と評したことがある。 確かに東京は最高に効率的な都会の1つだ。しかも人間に頼らず、自力で機能しているらしい。13時24分に到着予定の電車は13時24分ぴったりに到着するし、荷物は指定した時間にきちんと届く。忘れ物をしても、たいていは戻ってくる。この街に﹁想定外﹂はない。 東日本大震災が発生した3月11日も、東京で印象的だったのは混乱ではなく秩序だった。あれがパリなら略奪が起きていただろう。アメリカ人も、大型ハリケーン﹁カトリーナ﹂がルイジアナ州を襲ったときは大混乱に陥った。 だが日本は違った。外資系の銀行に勤める友人は、3月11日の午後4時に金融庁に電話して、いつもどおりに営業終了後の報告が必要かと聞いたそうだ。すると金融庁の職員
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