﹁格差﹂は隠蔽されたか 格差拡大が話題になり始めたころ、政府、財界、そして一部のマスコミは、躍起になって格差拡大の事実を否定しようとした。 最初の段階では、都合のいい統計データを示しながら、﹁格差は拡大していない﹂と言い張った。いくつもの指標が格差拡大を示していることを否定できなくなると、﹁格差拡大は見せかけだ﹂と言いだした。 OECDが、日本の貧困率は先進国のなかで米国に次いで高いと発表すると、﹁この貧困率の計算方法は日本にはあてはまらない﹂などと言い張った。さらに統計的な証拠が集まって、格差が実質的にも拡大していることが否定できなくなると、﹁格差があるのは当然だ﹂と開き直った。 こうして政府が、格差拡大と貧困の増大という事実から目を背け、開き直り、対策を怠っているうちに、日本社会は取り返しがつかないほどに変質してしまった。その結果が、前回の記事︵平均年収186万円…日本に現れた新たな﹁
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