以前SYNODOSで、FGM︵女性性器切除︶とは何か、紹介する機会をいただきました。 FGMとは何か、なぜ問題なのか、ということを話すときに、キーワードとして﹁FGMをめぐる言説﹂があります。1990年代以降FGMをめぐる議論が活発化しますが、そのきっかけとなったのは、アフリカ系アメリカ人作家のアリス・ウォーカーによる﹁喜びの秘密︵Possessing the Secret of Joy︶﹂︵1992年︶でした。欧米諸国を中心に、この小説におけるFGMの表現およびFGMをめぐる議論について学際的な議論が発生しています。 しかしなぜFGMはここまで語られるのか? 私には、FGMそのものが単純に女性への暴力と言い切れない、実施地域・国での社会的・文化的・宗教的な背景への理解なしには、問題を理解することは難しいと感じられます。 そもそもFGMが国際社会で問題とされたのは、リプロダクティブ・ヘルス
![「声」は誰のものか――FGM(女性性器損傷)をめぐる言説/長島美紀 - SYNODOS](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/08fa5c85265dafb000ec94b226fd0726f8afd582/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fsynodos.jp%2Fwp2%2Fwp-content%2Fuploads%2F2021%2F06%2Fphoto31.png)