更地になった川井家住宅跡。市が保存活用に向けてマッチングを行ったが、不成立に終わった︵京都市中京区︶ 室町時代にまで起源をさかのぼれ、専門家が重要文化財級と評価していた京都市内最古級の町家﹁川井家住宅﹂︵中京区西ノ京︶が解体され、消失したことが26日までに分かった。市は京町家保全継承条例を昨年に施行し、マッチング制度などを今年5月から導入して町家解体を防ぐ施策を強化してきたにも関わらず、貴重な町家の消失を止められなかった。 川井家は上京区の北野天満宮に仕えた﹁西京神人︵にしのきょうじにん︶﹂の子孫とされ、中世の文書にも名前が出てくる。同家住宅は木造平屋建てで、洛西から丹波に多い農家型住宅の特徴を持ち、応仁元︵1467︶年に建てられたとの伝承があった。 京町家に詳しい京都府立大の大場修教授や町家関連の調査によると、正徳年間︵1711~16年︶に造り替えられた後、文政13︵1830︶年に増築さ