進化的人間考 作者:長谷川眞理子東京大学出版会Amazon 本書は長谷川眞理子による﹁ヒトの特殊性﹂についての本になる.もともとは東京大学出版会のPR誌﹁UP﹂に2010~2012年にかけて﹁進化的人間考﹂として連載されたもので,それに少子化,犯罪,進化心理学についてのいくつかの雑誌寄稿*1を加え,最新の知見等にあわせ一部改訂し,一冊にしたものだ. 第1章ではヒトを探究する学問についての俯瞰的な解説がなされている.もともと人間についての探求は哲学として始まり,法学,経済学,社会学,倫理学,心理学,民族学,文化人類学と広がり,片方で自然人類学がある.自然人類学は長らく化石からの考察が中心だったが近時ゲノム解析が進み生態学,行動学,神経科学を取り込んで包括的に人類進化を解明できるようになった.そしてこれらを統合できないかというのが著者が長年取り組んできたことになる. ここから社会生物学論争,人
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