アメリカでは﹁文化の盗用﹂に関する議論が喧しい。ボストン美術館のキモノ体験についたクレームだとか、当事者であるはずの日本人から見ても﹁別にいいじゃん﹂と思わせられるようなケースさえあり、それ自体が差別的発想だという批判もあるくらいだ。実際、例の企画は、元々の画がジャポニスムをテーマにした画であり、その画の前で日本人ではない人がkimonoを着て写真を撮る行為は、むしろ﹁ある時代に存在したジャポニスム﹂そして﹁それを描いた画﹂という﹃オリジナル﹄を尊重した行為ですらある。たとえば日本人が着物を着てその前に立っても全く意味がないどころか、むしろそれこそ﹁オリジナルへの敬意を欠いた振る舞い﹂として批判されるおそれさえあるだろう︵皮肉︶。 ︵※ちなみに、時間のない方は、このあと太字部分だけ読めば大体の内容が分かります。︶ だが、そんな自分が、日本でしばしば気になって仕方ない﹁文化の盗用﹂がある。そ